Pip: Japan Compassへようこそ。今週は、2035年の日本を問い直すHazzy Wildの分析です。少子化の本丸は「子どもが生まれた後」ではないかもしれない。
Mara: 今回は少子化と人口減少を軸に、出生数の減少速度、若者が直面する4つの壁、そして政策の再設計について掘り下げます。では、少子化対策の主戦場から始めましょう。
少子化の主戦場はどこか
Pip: 今回の問いはシンプルです。政府はすでに3.6兆円規模の子育て支援を動かしている。それでも出生数は減り続けている。何かが噛み合っていないとすれば、それはどこか。
Mara: 記事はその核心をこう述べています。「結婚したい、子どもを持ちたいという希望を、現実の生活設計へ変換しにくい社会構造にもある」。
Pip: つまり、問題は意欲ではなく構造だということです。実際、2021年の調査では未婚者の81〜84パーセントが「いずれ結婚するつもり」と答えている。希望はある。でも実現できていない。
Mara: そして減少のスピードが想定を超えています。2025年の日本人出生数は67万1,236人。2023年時点の将来推計では2039年ごろに到達すると見込まれていた水準に、約15年早く達してしまいました。
Pip: 予測より15年早い。これは計画の前提を根本から見直す必要があるということです。
Mara: 記事が「4つの壁」と呼ぶのが、所得・住居・時間・子どもを持つリスクです。正社員と非正規では月収に4〜5万円の差があり、将来所得の予測可能性が家族形成を左右するとOECDも指摘しています。
Pip: お金の話だけではありません。時間の問題も深刻で、6歳未満の子がいる夫婦では、妻の家事関連時間が夫より210分以上長い。これは女性だけの問題ではなく、男性が長時間労働によって家庭参加の選択肢を奪われている構造でもあります。
Mara: 韓国の事例も重要な警告です。保育無償化や住宅支援など豊富な政策を展開したにもかかわらず、OECDは出生率改善への効果が十分ではなかったと分析しています。給付金だけでは社会構造は変わらない、という教訓です。
Pip: だから記事の提言は「子育て支援」から「家族形成支援」へのシフトです。住宅、可処分所得、父親の育児参加、第二子支援、教育費の予測可能性、この5本柱を出産前から整える。
Mara: そして記事はこう締めています。「政策の目的は、産ませることではなく、産みたい人が諦めなくて済む社会をつくること」。出生率そのものを目標にするのではなく、希望を実現できる環境を整えることが先だという立場です。
Pip: 仮に今日から出生率が上がっても、その子が18歳になるのは2043年以降。2035年の労働力不足には間に合わない。だから少子化対策と並行して、女性・高齢者の就業、AI・外国人政策を同時に動かす必要があるとも記事は指摘しています。
Mara: 次回の#013では「2035 共生City構想」としてJapan Compass独自の政策提言が公開される予定です。今回の分析はその基礎章に位置付けられています。
Pip: 「25歳の若者に、日本で子どもを2人育てても大丈夫と言えるか」という問いが残ります。
Mara: 社会構造を変えることから始める、という答えを次回以降も追っていきます。

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