Podcast Episode: Japan Compass #019

Pip: Japan Compassへようこそ。ネット上の「外国人犯罪が急増している」という声と、実際の統計の間には、ときに相当な距離があります。

Mara: 今回は、Hazzy Wildが一次資料を丁寧に読み解いた特集です。治安・在留管理・不法就労・制度の透明性といったテーマを、データに立ち返りながら検証していきます。では、統計の読み方から始めましょう。

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「外国人犯罪」の数字を正確に読む

Pip: 「外国人犯罪が増えている」という言説は日常的に流れています。でも、その数字が何を指しているのか、どんな前提の上に成り立っているのかを整理しないと、議論の出発点からずれてしまいます。

Mara: まず定義の問題があります。警察庁の統計で使われる「来日外国人」とは、日本にいる外国人全員ではありません。記事はこう述べています。「永住者などの定着居住者や、在日米軍関係者などを除いた警察統計上の区分です。したがって、この数字だけを使って、『外国人全体の犯罪率が高い』と結論づけることはできません。」

Pip: つまり、数字そのものを否定するわけでも、鵜呑みにするわけでもなく、その数字が何を測っているのかを先に確認しなければならない、ということですね。

Mara: そのとおりです。そして検挙件数自体は増えています。2022年の1万4,662件から、2025年には2万5,480件と3年連続で増加し、刑法犯だけでも前年比31.4パーセント増です。ただし同じ期間に訪日外国人数は約4,268万人と過去最高を記録しており、母集団の変化を考慮した分析が必要だと記事は指摘しています。

Pip: 件数が増えた、でも人数も増えた。その比率を見ずに件数だけ並べると、印象と実態がかなり違う絵になる。

Mara: 国籍別データについても同様の注意が必要です。2025年の検挙人員はベトナムが4,167人、中国が2,062人と上位を占めますが、在留人口・年齢構成・在留資格の構成は国籍によって大きく異なります。「検挙人数が多い」ことと「その国籍の人が犯罪を起こしやすい」ことは同じではない、と記事は明確に述べています。

Mara: 不法残留者については、2026年1月1日時点で6万8,488人。前年から8.5パーセント減少しています。記事の表現を借りれば、「不法残留は現実に存在する問題だが、直近では減少している」というのが正確なところです。

Pip: 減っているという事実も、存在するという事実も、どちらも消してはいけない。

Mara: 不法就労はさらに具体的な数字があります。2025年に退去強制手続等を受けた外国人1万8,442人のうち、72.9パーセントにあたる1万3,435人に不法就労の事実が確認されています。農業従事者と建設作業者だけで不法就労者全体の68.8パーセントを占め、地域的にも関東1都6県に76.4パーセントが集中しています。

Pip: そこで記事が問うのは、これは外国人本人だけの問題なのか、という点ですね。

Mara: はっきりそう問い返しています。不法就労者がいるということは、その労働力を利用している企業・農家・仲介業者が存在するということでもある。記事は「外国人本人だけを摘発しても、違法な労働力を利用する需要側が残れば、構造は変わりません」と述べ、雇用主側の責任確認・適正賃金・社会保険加入・悪質仲介業者の排除を企業の義務として列挙しています。

Pip: 在留資格の取消しについても数字がありましたね。

Mara: 2025年には1,446件。前年の1,184件から増加しています。ただし在留外国人はすでに400万人を超えており、記事は「制度悪用が存在するという事実」と「外国人の多くが制度を悪用している」という解釈をはっきり区別しています。「外国人は犯罪をしても不起訴になる」という言説についても、選択バイアスの問題を指摘した上で、現時点では断定できないと結論を保留しています。

Mara: 政策提案として、記事は省庁ごとに分断されたデータを横断分析できる「外国人受入れ統合ダッシュボード」の構築を提唱しています。個人監視ではなく、匿名化した統計として在留資格・就労状況・犯罪類型・社会保険加入状況などを一元的に把握する仕組みです。

Pip: 感情ではなくデータ、国籍ではなく行為、放置ではなくルール——記事の結語がそのままこの特集の骨格になっていますね。次は、制度の透明性と共生政策が実際にどう動き始めているかへ移りましょう。

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Mara: 数字の定義を確認することから始めて、雇用主の責任まで話が展開しました。「問題は存在する、だからこそ誇張も過小評価も必要ない」というのが記事の一貫した立場です。

Pip: 次回は社会保障制度と外国人の関係が検証されるようです。健康保険、年金、生活保護——同じ問いの立て方で、どんな数字が出てくるか。

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