Podcast Episode: Japan Compass#031

Pip: Japan Compassへようこそ。学校の話です。ただし「タブレットを配れば解決」という話ではありません。

Mara: 今回はHazzy Wildが手がけた2035年の教育再設計を取り上げます。教師不足、AIの活用、地方の学校、そして「学びとは何か」という問いまで、幅広く踏み込んだ内容です。

Pip: では、その核心から始めましょう。

教師に仕事を集めすぎた国の設計図

Mara: このポストが問うのは、「日本の教育は失敗しているか」ではなく、社会の変化に対してシステムの更新速度が追いつかなくなっているのではないか、という問いです。強みは認めたうえで、構造的なズレを見ていきます。

Pip: その構造的なズレの核心として、こう書かれています。「教師は、教育専門職+事務職+カウンセラー+イベント運営+部活動指導者のような状態になっています。」

Mara: これが数字に出ています。2022年度の教員勤務実態調査では、平日の在校等時間は小学校で平均10時間45分、中学校で11時間01分。2016年度より約30分短縮されたものの、依然として長い。

Pip: 30分短縮に10年近くかかった、と。

Mara: 教師不足の数字も慎重に読む必要があります。2025年5月1日時点の欠員は3,827人ですが、これは各教育委員会が配置すると決めた人数に対する欠員であり、法定標準定数が全国でその数だけ足りないという意味ではありません。義務標準法に基づく定数は全国平均で100.9パーセント充足しています。

Pip: つまり帳簿上は足りているが、現場が必要だと判断した人が配置できていない学校が存在する、ということですね。

Mara: そこに加えて、教職を選ぶ人自体が減っています。大学卒業者数はほぼ横ばいなのに、教員免許取得者は約7.28万人から約6.59万人へ減少しています。単純な若者不足ではなく、職業選択の問題でもある。

Pip: だから給与を上げるだけでは足りない、という話につながる。

Mara: 政府は2025年の制度改正で教職調整額を2030年度までに段階的に10パーセントへ引き上げる方針を決めています。ただ、担う仕事の中身が変わらなければ根本は残る、というのがこのポストの立場です。提案はシンプルで、教師にしかできない仕事——授業設計、児童生徒との対話、学習評価、専門的な教育判断——に時間を集中させ、それ以外は事務職、ICT支援員、部活動指導員、AI、地域人材へ分担する。

Pip: 教師を楽にするためではなく、教師を教育の専門家へ戻すため、と書かれていますね。

Mara: AIについても同じ方向で考えています。小テスト作成、教材案、集計、定型連絡といった定型業務をAIが担うことで、「なぜ分からないのか」「何に悩んでいるのか」を見る時間を増やす。AI時代ほど、人間の教師の役割は対話と判断へ移る、という見立てです。

Pip: そしてその先に、子ども一人ひとりの学び方の設計という問題が来る。


Mara: 「学校へ人を合わせる」から「人に学びを合わせる」へ。この転換は教育だけの話ではなく、医療や地方設計とも同じ問いを共有しています。

Pip: 次回もこの白書の続きを。

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