Japan Compass#036

2035 日本の安全保障再設計

――「防衛=自衛隊」から、「国全体が止まらない安全保障」へ

2026年9月7日|2035日本再設計プロジェクト|防衛・国民保護・インフラ・サイバー・AI編

昨日の#035では「行政」を再設計しました。

その前には、住宅、働き方、介護、教育、医療、少子化・家族形成、共生Cityなど、日本人が2035年にどう暮らすのかを中心に考えてきました。

2035日本再設計白書の全体構成を見ると、ここまで比較的手薄だった重要領域があります。

防衛です。

ただし今日考えたいのは、

戦闘機を何機買うか。

ミサイルを何発持つか。

防衛費をGDP比何%にするか。

だけではありません。

2026年版防衛白書のテーマは、

「未来につながる安全保障」

です。

防衛省自身も、安全保障は国民一人ひとりの毎日の暮らしや未来に深く関わるものだと説明しています。防衛省

そこでJapan Compassでは、安全保障を、

「敵を撃退する能力」だけではなく、「攻撃や大災害を受けても日本社会を止めない能力」

として再設計します。

これは軍事力だけの話ではありません。

電気。

通信。

水道。

食料。

医療。

物流。

港湾。

空港。

人工衛星。

クラウド。

金融。

自治体。

企業。

そして国民。

そのすべてが安全保障の一部になる時代です。


Executive Summary

日本の安全保障政策は現在、大きな転換期にあります。

2026年版防衛白書は「新しい戦い方」などを取り上げ、防衛省はAI、無人システム、指揮統制などの強化を進めています。防衛省

一方、もう一つの深刻な問題があります。

人です。

2026年3月末現在、自衛官の定員24万7,154人に対して現員は21万7,701人。

充足率は88.1%です。防衛省

2025年度の自衛官等採用者数は前年度から14.9%増えたものの、採用計画全体に対する達成率は72%にとどまりました。防衛省

少子化が進む日本で、

人口は減る。

自衛官も集まりにくくなる。

しかし守るべき領域は、

陸。

海。

空。

宇宙。

サイバー。

電磁波。

情報。

へ広がっています。

つまり、

「人を増やして防衛力を増やす」という発想だけでは2035年を乗り切れません。

Japan Compassでは2035年までに、日本の安全保障を次の6本柱へ再設計することを提案します。

① 自衛隊の省人化・無人化・AI化
② 防衛産業を国家基盤産業として再構築
③ 電力・通信・水・食料・医療・物流を安全保障へ統合
④ 国民保護と避難インフラの強化
⑤ 官民共同のサイバー防衛
⑥ 災害と有事を共通基盤で支える「National Resilience」

目指すのは、

戦争をするための国家ではありません。

攻撃しても、

災害が起きても、

通信を止めても、

物流を乱しても、

日本社会は簡単には機能停止しない。

そう相手に認識させることです。

それ自体が、

抑止力

になります。


1|2035年、防衛の最大の制約は「人口」になる

防衛力というと装備品へ目が向きます。

しかし装備を動かすのは人です。

2026年3月末現在、

自衛官定員
247,154人

現員
217,701人

充足率
88.1%

となっています。防衛省

さらに階級別に見ると、特に若い「士」の充足が厳しい状況にあります。

これは単なる採用広報の問題ではありません。


2|日本全体で人の奪い合いが始まっている

昨日までのJapan Compassで見てきた通り、

介護。

医療。

物流。

建設。

IT。

行政。

でも人材が不足しています。

そこへ自衛隊も参加します。

つまり2035年、

自衛隊は企業や自治体と、

同じ若者を奪い合う

ことになります。

給与を上げるだけでは限界があります。


3|Japan Compass政策提案

「Manpower-Light Defense」

2035年の防衛力を、

人数×装備

ではなく、

人×AI×無人システム×ネットワーク

で設計します。

一人の隊員が複数の無人システムを扱う。

AIが情報を整理する。

ロボットが危険作業を行う。

自動化された物流が補給する。

つまり、

少ない人数でも能力を維持できる自衛隊

へ変えます。


4|すでに防衛省も動き始めている

防衛省は、

指揮統制。

無人アセット。

事務処理。

などでAI活用を進め、意思決定の迅速化、隊員負担の軽減、省人化・省力化を図っています。防衛省

無人アセットについても、

危険な環境で活動できる。

長時間運用できる。

AIとの組み合わせによって多数運用できる。

隊員の危険や負担を減らせる。

という利点を明示しています。防衛省

方向性は正しい。

問題は、

これを防衛装備だけの話で終わらせないことです。


5|Japan Compass政策提案

「Human-Machine Teaming」

AIに人間を置き換えるのではありません。

人間と機械の仕事を分けます。

AI・無人機が担当するのは、

監視。

画像解析。

情報整理。

輸送。

危険地域偵察。

設備点検。

定型事務。

など。

人間が担当するのは、

指揮。

最終判断。

外交。

住民対応。

複雑な作戦判断。

倫理判断。

です。


6|AI兵器には越えてはいけない線がある

AIを利用すれば、

意思決定は速くなります。

しかし、

AIが誤認する。

通信が妨害される。

敵からデータを操作される。

学習データに偏りがある。

という問題があります。

特に武力行使へ直接つながる判断を完全自動化することには、大きな倫理・法的問題があります。

防衛省も2025年に「装備品等の研究開発における責任あるAI適用ガイドライン」を策定しています。防衛省


7|Japan Compass政策提案

「Meaningful Human Control」

人命に重大な影響を与える武力行使については、

意味のある人間の関与

を原則とします。

AIは、

探知。

分類。

分析。

選択肢提示。

まで。

最終的な武力行使判断について、人間の責任主体を明確にします。

#035行政再設計で提案した、

Human Decision Guarantee

と同じ思想です。

AIが社会へ入るほど、

「誰が最後に責任を持つのか」

を明確にする必要があります。


8|防衛を自衛隊だけで考える時代は終わる

仮に日本が直接攻撃されなくても、

発電所。

通信網。

海底ケーブル。

人工衛星。

金融システム。

港。

空港。

クラウド。

物流センター。

が止まれば、日本社会は大きな影響を受けます。

現代国家では、

民間インフラそのものが安全保障インフラ

です。


9|海外事例

NATOの「Resilience」

NATOは国家のレジリエンスについて、軍事力だけではなく民間社会の機能維持を重視しています。

その基本要件には、

政府機能。

エネルギー。

大量の人の移動への対応。

食料・水。

大量傷病者への対応。

通信。

交通。

が含まれます。NATO

つまり安全保障とは、

社会が動き続ける能力

でもあります。


10|Japan Compass政策提案

「Seven Lifelines」

日本版では、国家として絶対に止めてはいけない基盤を7つ指定します。

① 電力・エネルギー
② 通信・クラウド
③ 水
④ 食料
⑤ 医療
⑥ 物流・交通
⑦ 行政・金融

これを、

Seven Lifelines

と呼びます。


11|「何日耐えられるか」を国家指標にする

例えば大規模攻撃や巨大災害で、

海外物流が止まる。

主要港湾が使えない。

通信が途絶える。

発電所が停止する。

その時、

東京は何日動けるのか。

大阪は。

沖縄は。

北海道は。

離島は。

これを平時から把握します。


12|Japan Compass政策提案

「National Survival Dashboard」

各地域について、

電力。

燃料。

水。

食料。

医薬品。

病床。

通信。

物流。

の継続可能日数を可視化します。

ただし詳細な脆弱性情報をそのまま公開するのではありません。

政府・自治体・事業者向けの機密情報と、住民向け情報を分離します。

目的は、

危機が起きてから不足を知るのではなく、平時に弱点を潰すこと

です。


13|ここでEarth Compassともつながる

これは軍事だけの仕組みではありません。

巨大地震。

津波。

火山。

台風。

洪水。

感染症。

サイバー攻撃。

武力攻撃。

原因は違っても、

社会が必要とするものは似ています。

水。

電気。

通信。

食料。

医療。

交通。

行政。

です。


14|Japan Compass政策提案

「Dual-Use Resilience」

防衛専用設備を大量に作るのではありません。

平時にも使います。

例えば、

学校地下空間。

地下駐車場。

公共施設。

物流倉庫。

蓄電池。

衛星通信。

非常用電源。

給水設備。

を、

災害時にも有事にも使えるよう設計します。

防災投資と安全保障投資を重ねる。

これなら投資効率も高くなります。


15|国民保護をもっと現実的にする

弾道ミサイルなどが日本へ飛来する可能性がある場合、政府はJアラートで対象地域へ情報を伝達します。政府オンライン

しかし重要なのは、

警報を出すことだけではありません。

その後、

どこへ行くのか。

高齢者はどうするのか。

病院患者は。

子どもは。

観光客は。

外国人は。

離島住民は。

という問題があります。


16|Japan Compass政策提案

「Civil Protection Map」

災害用避難所とは別に、

地下施設。

堅牢建築。

病院。

学校。

公共施設。

などを整理し、

国民保護にも利用できる施設を可視化します。

ただし、

単に地図を作るだけではありません。

人口。

徒歩時間。

収容人数。

バリアフリー。

非常電源。

水。

通信。

トイレ。

まで評価します。


17|八重山・沖縄から考える安全保障

日本の安全保障を東京だけで考えてはいけません。

南西地域には、

有人離島。

観光客。

高齢者。

医療搬送が必要な人。

外国人旅行者。

がいます。

有事に住民避難を考えるなら、

船。

航空機。

港。

空港。

避難先。

宿泊。

医療。

ペット。

家族単位の移動。

まで事前設計が必要です。

「避難計画がある」ことと、「本当に避難できる」ことは違います。


18|Japan Compass政策提案

「Island Continuity Plan」

離島については、

避難だけではなく、

島に残った場合でも生活を継続できる能力

を整備します。

燃料。

食料。

医薬品。

衛星通信。

発電。

水。

港湾。

医療搬送。

を平時から確保します。

これは台風や地震にもそのまま使えます。


19|海外事例

フィンランド「Comprehensive Security」

フィンランド政府は2025年にSecurity Strategy for Societyを更新しました。

特徴は、

政府だけで安全保障を担わないことです。

行政。

企業。

組織。

市民。

が協力して社会の重要機能を守ります。フィンランド政府

これを、

Comprehensive Security

と呼びます。

日本にも非常に参考になる考え方です。


20|海外事例

スウェーデン「Total Defence」

スウェーデンでは、

軍事防衛

と、

Civil Defence

を一体として考えています。

民間防衛には、

医療。

食料。

避難。

シェルター。

自治体。

地域。

企業。

などが含まれます。Regeringskansliet

2025~2030年のTotal Defenceでは、民間防衛にも大規模な投資が行われています。Regeringskansliet

さらに2026~2028年には、

医療物資備蓄。

食料備蓄。

シェルター改修。

自治体の備え。

などへ追加投資する方針です。Regeringskansliet


21|Japan Compass政策提案

「Japan Total Resilience」

日本も、

防衛省。

内閣官房。

警察。

消防。

海上保安庁。

自治体。

医療。

通信。

電力。

物流。

食品。

金融。

IT企業。

を別々に考えない。

国家レベルで、

Japan Total Resilience

として統合します。


22|ただし企業を無制限に国家へ従わせてはいけない

民間企業を安全保障へ組み込むと、

企業負担が増える。

営業秘密が政府へ渡る。

設備投資費が増える。

国による経済統制につながる。

という懸念があります。

これは正当な懸念です。

だから、

義務。

補助。

契約。

税制。

保険。

を明確に分けます。


23|Japan Compass政策提案

「Resilience Contract」

国が、

通信会社。

電力会社。

物流会社。

クラウド企業。

食品会社。

医薬品企業。

などと平時から契約します。

企業は一定の非常時供給能力を維持する。

その代わり、

設備投資。

備蓄。

訓練。

冗長化。

に国が費用を負担する。

企業の善意に安全保障を依存しません。


24|防衛産業も「平時は注文がない」では維持できない

兵器や防衛装備は、

必要になってから工場を作る

ことができません。

部品。

技術者。

製造設備。

材料。

サプライチェーン。

が必要です。

だから防衛産業は、

通常の市場原理だけでは維持しにくい側面があります。


25|Japan Compass政策提案

「Strategic Production Capacity」

重要な装備・部品について、

今何個作っているか

だけではなく、

必要になった時に月何個まで増産できるか

を国家能力として管理します。

生産ライン。

金型。

材料。

人材。

部品企業。

まで把握します。


26|ただし国産化100%を目指さない

「安全保障だから全部日本製」

は現実的ではありません。

コストが上がり、

技術革新が遅れ、

同盟国との相互運用性が低下する可能性があります。

だから、

国内で絶対維持するもの。

同盟国と共同生産するもの。

通常輸入するもの。

を分類します。


27|Japan Compass政策提案

「Strategic Dependency Map」

半導体。

通信。

衛星。

エネルギー。

医薬品。

食料。

防衛部品。

レアメタル。

について、

どの国に、

何%依存しているか。

代替先があるか。

何日分備蓄しているか。

を把握します。

依存そのものをゼロにするのではなく、

一国・一社への過度な依存を減らします。


28|サイバー空間では平時と有事の境界が薄い

ミサイルが飛んでこなくても、

病院。

銀行。

自治体。

物流。

電力。

がサイバー攻撃を受ければ社会は混乱します。

ここでは自衛隊だけでは守れません。

多くのシステムを所有しているのは民間企業だからです。


29|Japan Compass政策提案

「Cyber Mutual Aid」

大規模サイバー攻撃が発生した時、

政府。

重要インフラ企業。

通信会社。

クラウド企業。

セキュリティ企業。

大学。

が専門人材を共有できる仕組みを作ります。

一企業だけで守るのではありません。

サイバー版DMAT

のような発想です。


30|防衛費を増やせば安全になるのか

ここで賛否を整理します。

賛成側

安全保障環境が厳しくなっている以上、

装備。

弾薬。

基地。

人員。

サイバー。

宇宙。

への投資は必要だという考えです。

防衛力が弱ければ、

相手に「攻撃すれば成功する」と判断させる危険があります。


31|反対側

一方、

防衛費が増えれば、

教育。

子育て。

医療。

社会保障。

インフラ。

へ使える財源との競合が起きます。

さらに軍備拡大が周辺国との緊張を高める、

という安全保障上の反論もあります。

したがって、

「防衛費はいくらなら正しい」だけでは答えになりません。


32|Japan Compassの考え方

重要なのは、

1円あたり、どれだけ日本の生存能力を上げるか

です。

例えば、

衛星通信。

非常用電源。

港湾強化。

病院の耐震化。

食料備蓄。

サイバー防御。

は、

戦争だけではなく、

地震。

津波。

台風。

通信障害。

でも役立ちます。


33|Japan Compass政策提案

「Dual-Use Security Budget」

防衛。

防災。

国土強靱化。

サイバー。

食料安全保障。

エネルギー安全保障。

を完全に別々の予算として考えるのではなく、

共通効果を持つ投資

を評価します。

ただし、防衛費を大きく見せるための会計操作には使いません。

予算目的と効果を透明化します。


34|徴兵制は必要か

人口減少を考えると、

徴兵制

を議論する人も出てくるでしょう。

しかしJapan Compassでは、

2035年までの基本政策として徴兵制を採用しません。

理由は、

若年人口そのものが減る。

教育・産業から人を移すコストが大きい。

高度技術化した防衛では専門性が重要。

だからです。

まず、

処遇改善。

省人化。

予備自衛官。

専門人材。

民間連携。

AI・無人化。

を徹底する方が合理的です。


35|ただし「国民は何もしなくてよい」でもない

安全保障を、

政府と自衛隊だけの仕事

にしてはいけません。

しかし国民を軍事化する必要もありません。

必要なのは、

避難方法を知る。

家族の連絡方法を決める。

数日分の水・食料を備える。

デマを拡散しない。

救命技能を学ぶ。

という、

Civil Preparedness

です。

これは自然災害対策とほぼ同じです。

政府広報も、防災について「自助・共助・公助」の重要性を示しています。政府オンライン


36|Japan Compass政策提案

「72 Hours Japan」

すべての家庭・企業・学校で、

最低72時間、

可能なら1週間程度、

外部支援がなくても最低限生活できる準備を促します。

水。

食料。

薬。

電源。

通信。

衛生用品。

そして家族連絡計画。

ただし備蓄できない低所得世帯などには現物支援を行います。

自己責任にしません。


37|2035日本再設計ロードマップ

2026~2027年

国家脆弱性の棚卸し

Seven Lifelinesについて、

電力。

通信。

水。

食料。

医療。

物流。

行政・金融。

の脆弱性を地域単位で調査します。


2027~2029年

Dual-Use Resilience投資

病院。

学校。

港湾。

空港。

通信。

蓄電。

物流。

避難施設。

を、防災と安全保障の両面から強化します。


2028~2030年

Manpower-Light Defense

AI。

無人機。

ロボット。

自動物流。

デジタル指揮統制。

を本格導入。

隊員を「人にしかできない任務」へ集中させます。


2029~2031年

Japan Total Resilience

重要インフラ企業とのResilience Contractを全国展開。

自治体・企業・政府・自衛隊・警察・消防・医療の共同訓練を制度化します。


2030~2033年

Island Continuity

沖縄・八重山を含む離島地域について、

避難。

医療。

通信。

電力。

水。

食料。

燃料。

の継続計画を整備します。


2033~2035年

「止まらない日本」へ

軍事防衛。

国民保護。

防災。

サイバー。

食料。

エネルギー。

物流。

医療。

行政。

を統合した、

National Resilience Strategy

を完成させます。


37|希望する国民が「危機対応」を学べる仕組みをつくる

ここでもう一歩踏み込みます。

日本では、防災訓練は学校・自治体・企業などで行われています。

しかし、

大規模地震。

津波。

長期停電。

通信障害。

サイバー攻撃。

武力攻撃。

物流停止。

などが複合的に発生した場合、

一般の国民が、

「自分と家族を守り、周囲の人を助けるために何をすればよいのか」

を体系的に学ぶ機会は、まだ十分とは言えません。

そこでJapan Compassでは、

希望者が実践的な危機対応能力を学べる民間訓練制度

を提案します。


38|Japan Compass政策提案

「Japan Civil Resilience Academy」

全国の、

民間企業。

NPO。

大学。

医療機関。

防災関連企業。

消防・警察・自衛隊OBなどの専門人材。

を活用し、

国が一定のカリキュラム、安全基準、講師資格を認定する、

Japan Civil Resilience Academy

を創設します。

参加は完全な希望制とします。

徴兵制度でもありません。

受講者が自衛隊員になる制度でもありません。

目的は、

国民を兵士にすることではなく、危機に強い市民を増やすことです。


39|何を学ぶのか

基礎課程では、

応急手当。

AED。

止血。

負傷者搬送。

避難。

家庭備蓄。

家族連絡計画。

停電・断水対応。

避難所運営。

などを学びます。

さらに希望者は、

無線通信。

衛星通信。

地図・コンパス。

捜索活動。

非常時の物資管理。

サイバーセキュリティ。

偽情報・デマの判別。

Jアラートや国民保護制度。

災害時の地域リーダー研修。

などへ進めるようにします。

つまり、

災害でも有事でも役立つ能力

を中心にします。


40|台湾から学べること

参考になるのが台湾です。

台湾では近年、

軍事力だけでなく、

避難。

救護。

物資配給。

通信。

地域防災。

市民の自助・共助。

を含む、

「全社会防衛レジリエンス」

の考え方を強化しています。

重要なのは、

一般市民をそのまま戦闘要員にすることではありません。

政府・自治体・企業・地域住民が、

それぞれの役割で社会機能を維持することです。

Japan Compassが提案するのも、この考え方に近いものです。


41|「軍事訓練」と「市民レジリエンス訓練」は分ける

ここは明確に線を引く必要があります。

救命。

避難。

通信。

災害対応。

サイバー。

情報判断。

などは、一般市民が学ぶ価値があります。

しかし、

銃器使用。

戦闘技術。

部隊戦術。

などは別です。

こうした軍事技能を希望する人には、

自衛隊。

予備自衛官。

など正式な国家制度へ進む選択肢があります。

したがって、

一般市民向け=Civil Resilience

軍事技能=自衛隊・予備自衛官制度

と明確に分離します。


42|修了者には「Japan Resilience Certificate」

一定の課程を修了した人には、

Japan Resilience Certificate

を発行します。

例えば、

Level 1
家庭・個人の危機対応。

Level 2
地域での救命・避難支援。

Level 3
通信・物資・避難所等の専門支援。

という段階制も考えられます。

資格取得者は、

企業BCP。

ホテル。

観光施設。

学校。

介護施設。

地域防災。

イベント運営。

などでも能力を活かせます。


43|災害時の参加は「任意」にする

修了したからといって、

災害時や有事に参加義務を負わせてはいけません。

ただし本人が希望すれば、

自治体。

消防。

医療。

NPO。

地域防災組織。

などの支援活動へ参加できる登録制度をつくります。

平時から、

「この地域には救命資格者が何人いるか」

「無線を扱える人が何人いるか」

を把握できれば、地域レジリエンスも高まります。


44|民間だからこそ全国へ広げられる

この制度を自衛隊だけで運営する必要はありません。

むしろ、

自動車教習所のように、

国が基準を作り、民間が教育を担う

方が全国へ広げやすいと考えます。

例えば、

防災会社。

アウトドア企業。

医療機関。

大学。

通信会社。

セキュリティ企業。

NPO。

などが、それぞれの専門分野を担当できます。

国は、

カリキュラム。

安全基準。

講師認定。

資格認定。

監査。

を担います。


45|最大の目的は「自助を押し付けること」ではない

ただし、

「国民が訓練を受ければ政府は助けなくてもよい」

という制度にしてはいけません。

国民の備えは、

公助を減らすためではなく、公助が届くまで社会を持たせるため

のものです。

政府。

自治体。

自衛隊。

消防。

警察。

医療。

企業。

地域。

市民。

それぞれが役割を持つ。

これがJapan Compassの考える、

Japan Total Resilience

です。


46|2035日本再設計白書での位置付け

今回の安全保障再設計は、白書の主要領域である、

防衛

を中心に、

AI。

外交。

エネルギー。

食料。

地方創生。

医療。

インフラ。

行政。

と接続します。

特に重要なのは、ここまでのJapan Compassで考えてきた政策が安全保障にもつながることです。

#030 医療再設計。

#033 働き方再設計。

#034 住宅再設計。

#035 行政再設計。

そして今回、

#036 安全保障再設計。

病院が止まらない。

行政が止まらない。

通信が止まらない。

物流が止まらない。

地域が孤立しない。

これは、

社会政策であると同時に安全保障政策です。


今日の提言

日本の安全保障論を、

「防衛費を増やすか、減らすか」だけの議論から卒業すべきです。

本当に考えるべきなのは、

危機が起きた時、

日本社会は何日動けるのか。

です。

電気は。

水は。

通信は。

食料は。

病院は。

港は。

クラウドは。

行政は。

そして離島は。

戦争を防ぐために必要なのは、

攻撃できる能力だけではありません。

攻撃しても日本を止められない能力

も必要です。

AIと無人システムによって少ない人数でも防衛できる。

サイバー攻撃を受けても通信が続く。

港が止まっても別ルートで物資が届く。

停電しても病院が動く。

離島が孤立しても通信と医療を維持できる。

国民が避難方法を知っている。

企業も平時から備えている。

そして災害対策と安全保障投資を可能な限り共有する。

2035年。

「自衛隊が日本を守る国」から、

自衛隊・政府・自治体・企業・地域社会がそれぞれの役割で、日本という社会そのものを守る国へ。

これが、

2035 日本の安全保障再設計

です。

さらに、国民を「守られるだけの存在」と考えるのではなく、希望する人が救命、避難、通信、防災、サイバー、情報判断などを体系的に学べる仕組みも必要です。徴兵でも、国民の軍事化でもありません。災害でも有事でも、自分と家族を守り、必要なら地域を支えられる人を増やす。国が基準を定め、民間が教育を担う「Japan Civil Resilience Academy」を整備することで、社会全体の危機対応力を底上げします。


読者への問い

もし明日、

ミサイルではなく、

大規模なサイバー攻撃によって、

スマートフォンがつながらない。

銀行決済ができない。

物流が止まる。

病院システムが使えない。

自治体システムが止まる。

という事態が起きたら。

それは、

「防衛問題」ではないのでしょうか。

逆に、

巨大地震に備えて整備した、

衛星通信。

非常用電源。

備蓄。

避難施設。

医療体制。

が有事にも使えるなら。

防災と防衛を完全に別々に考える必要はあるのでしょうか。

Japan Compassは、

2035年の安全保障の中心概念を「武器」から「国家の継続能力」へ広げるべきだ

と考えます。

強い国とは、

武器が多い国だけではありません。

危機が起きても、

人が暮らし続け、

社会が動き続け、

民主的な政府が機能し続ける国。

その状態を平時からつくることこそ、

日本に必要な安全保障なのではないでしょうか。


参考資料

防衛省「令和8年版 防衛白書」

防衛省「自衛官等の充足・採用状況」

防衛省「防衛省・自衛隊の人員構成」

防衛省「人的基盤の抜本的強化に関する検討委員会」

防衛省「無人アセット防衛能力の強化」

フィンランド政府「Security Strategy for Society」

スウェーデン政府「Total Defence 2025–2030」

スウェーデン政府「This is Civil Defence」

NATO「Resilience and Civil Preparedness」

英国政府「Strategic Defence Review 2025」

政府広報「弾道ミサイルの飛来を告げるJアラートが!身を守るための行動とは?」

※「Manpower-Light Defense」「Seven Lifelines」「National Survival Dashboard」「Dual-Use Resilience」「Island Continuity Plan」「Japan Total Resilience」「Resilience Contract」「Strategic Production Capacity」「Strategic Dependency Map」「Cyber Mutual Aid」「Dual-Use Security Budget」「72 Hours Japan」は、海外制度や日本の既存政策を参考にJapan Compassとして体系化した政策構想です。実装に際しては、憲法・安全保障法制、財政、地方自治、企業の財産権・営業秘密、個人情報保護、AIの責任原則、国際人道法などとの詳細な整合性検証が必要です。

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