2035 日本の「水インフラ」再設計
――「蛇口をひねれば水が出る」を、次の世代にも当たり前にする
2026年9月15日|2035日本再設計プロジェクト|上下水道・インフラ・防災・地方創生・財政編
昨日の#043では「地域医療」を再設計しました。
直近では、#042「生活保障」、#041「気候適応」、#040「外国人受入れ・共生」、#039「食料安全保障」、#038「移動」、#037「エネルギー」、#036「安全保障」、#035「行政」、#034「住宅」、#033「働き方」と、日本を支える主要な社会基盤を順番に検証してきました。
ここで2035日本再設計白書全体を改めて俯瞰すると、ほぼすべての章を下から支えているにもかかわらず、まだ独立したテーマとして十分に扱っていない重要領域があります。
水です。
蛇口をひねれば、安全な水が出る。
トイレを流せば、汚水が処理される。
病院も、学校も、ホテルも、工場も、飲食店も、農業も、水があることを前提に動いています。
しかし、その「当たり前」を支えている地下の巨大インフラが、急速に老朽化しています。
2025年1月28日には、埼玉県八潮市で下水道管の破損に起因すると考えられる大規模な道路陥没事故が発生しました。一時は約120万人に下水道使用の自粛が求められています。2022年度には、下水道管に起因する道路陥没等が全国で約2,600件発生していました。国土交通省
そして問題は、
古くなっていることだけではありません。
人口は減る。
料金収入は減る。
技術者も減る。
地震は来る。
豪雨は増える。
渇水も起こる。
つまり2035年の日本は、
「水道を広げる時代」から「縮む社会で、水をどう守るかという時代」
へ入っています。
今日のJapan Compassは、日本の上下水道を「修理する」という話ではなく、
2035年にも持続できる水インフラそのものを再設計します。
Executive Summary
日本の水道普及率は2023年度末で98.2%。
世界的に見ても非常に高い水準です。
しかし、その多くは高度経済成長期、特に1970年代以降に整備されました。
国土交通省自身も、老朽化、耐震化の遅れ、人口減少による料金収入減少、小規模水道事業者の経営基盤の弱さを課題として挙げています。国土交通省
下水道管路は2024年度末で、
約50万km。
このうち標準耐用年数50年を超えた管路は約4万km。
10年後には約11万km。
20年後には約23万kmへ増える見込みです。国土交通省
さらに災害対策にも課題があります。
2024年度末時点で、
取水施設の耐震化率 約52%
浄水施設 約47%
重要施設へつながる水道管路 約47%
下水処理場 約50%
重要施設へつながる下水道管路 約53%
です。
さらに、
避難所、災害拠点病院、防災拠点などにつながる水道・下水道の「両方」が耐震化されている重要施設は約9%
にとどまっています。国土交通省
Japan Compassは2035年までに、水インフラを次の方向へ再設計します。
古い順に交換する水道から、「壊れた時の影響が大きい順」に更新する水道へ。
市町村ごとの水道から、「生活圏」で運営する水道へ。
巨大な集中型設備だけから、集約型+分散型のハイブリッドへ。
壊れてから掘る管理から、AI・センサーで壊れる前に直す管理へ。
水を一度使って捨てる社会から、用途によって再利用する社会へ。
目標は、
「全国どこでも同じ設備を維持すること」ではありません。
目指すのは、
「人口が減っても、安全な水と衛生を守れる日本」
です。
1|日本の水道は、実は巨大な成功事業だった
まず、現在の水道を否定する必要はありません。
むしろ日本の上下水道は、
戦後日本が作った最も成功した社会インフラの一つです。
全国ほぼどこでも、
安全な水が飲める。
感染症を防げる。
風呂に入れる。
トイレが使える。
これは当たり前ではありません。
2023年度末の水道普及率は98.2%です。国土交通省
問題は、
その成功したインフラが、一斉に歳を取っていること。
です。
2|50万kmの地下インフラ
下水道管路だけでも全国に約50万kmあります。
地球一周が約4万kmですから、
単純比較すれば、
地球を12周以上できる長さ
です。
しかも普段、私たちはその存在を見ることがありません。
道路の下にあります。
だからこそ、
老朽化が進んでも気付きにくい。
3|これから老朽化が一気に進む
2024年度末時点で、
50年以上経過した下水道管は約4万km。
しかし10年後には、
約11万km。
20年後には、
約23万km。
全体の約45%に達する見込みです。国土交通省
つまり、
老朽化問題は「今がピーク」ではありません。
これから本格化します。
4|八潮市の事故が示したこと
2025年1月28日。
埼玉県八潮市で大規模な道路陥没事故が発生しました。
地下の下水道管の破損が原因と考えられています。
事故の影響は、
道路だけではありませんでした。
周辺地域では、
洗濯。
風呂。
排水。
などの使用自粛が呼びかけられ、
一時は約120万人に影響しました。国土交通省
これは重要です。
下水道事故は、
地下の管一本の問題ではない。
道路。
物流。
住宅。
企業。
病院。
生活。
すべてへ波及します。
5|国も制度変更へ動き始めた
2026年3月27日、政府は「下水道法等の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。
背景には八潮市の事故があります。
国土交通省は、
老朽化。
職員減少。
厳しい事業環境。
道路下埋設物の維持管理。
などへ対応し、
「強靱で持続可能な下水道」を目指すとしています。国土交通省
方向性は正しいと思います。
しかし2035年を考えるなら、
さらに一歩先まで設計する必要があります。
6|Japan Compass政策提案
「Water Asset Map Japan」
まず全国の、
水道管。
下水道管。
浄水場。
配水池。
ポンプ場。
下水処理場。
について、
一本、一区間単位でリスクを可視化します。
評価するのは、
年齢だけではありません。
管種。
材質。
地盤。
漏水履歴。
地震リスク。
交通量。
腐食。
人口。
修理履歴。
そして、
壊れた時に何人へ影響するか。
です。
7|「古い順に交換」では間に合わない
仮に50年以上経過した管を、
すべて順番に取り替える。
これは分かりやすい方法です。
しかし、
財源も。
人材も。
工事能力も。
足りない可能性があります。
だから2035年型インフラ管理では、
Risk Based Maintenance
へ変えます。
8|Japan Compass政策提案
「Risk First Renewal」
例えば、
築60年。
人口500人。
代替ルートあり。
という管と、
築40年。
10万人へ給水。
病院と避難所につながる。
代替ルートなし。
という管。
年齢だけなら前者が先です。
しかし社会リスクなら、
後者を先に更新すべき場合があります。
つまり、
「古い順」ではなく「止まったら困る順」。
へ変えます。
9|耐震化も「全部同時」はできない
2024年度末時点でも、
重要施設へつながる水道管路の耐震化率は約47%。
下水道側は約53%。
そして、
水道と下水道の両方が耐震化されている重要施設は約9%です。国土交通省
ここには、
災害拠点病院。
避難所。
消防。
警察。
行政庁舎。
などが含まれます。
地震後に病院は動いている。
しかし、
水が来ない。
排水できない。
これでは病院は機能できません。
10|Japan Compass政策提案
「Critical Water Corridor」
2030年までに、
病院。
避難所。
消防。
警察。
自治体庁舎。
重要な物流拠点。
へ接続する、
水道+下水道+電力
をセットで強靱化します。
インフラを、
道路担当。
水道担当。
下水道担当。
電力会社。
と分けて考えるのではありません。
「この施設を72時間、7日間動かせるか」
で評価します。
11|#043地域医療とも直結する
昨日扱った地域医療。
病院を耐震化するだけでは、
十分ではありません。
水。
下水。
電力。
通信。
道路。
医薬品。
がなければ、
医療は続きません。
つまり水インフラは、
医療インフラでもあります。
12|最大の構造問題は「人口減少」
上下水道事業には、
他のインフラと違う難しさがあります。
人口が減っても、
管路の距離は、
簡単には短くなりません。
例えば、
人口10万人の町が、
30年後に7万人になった。
しかし水道管は、
ほぼ同じ道路の下に残ります。
13|利用者が減っても維持費は減らない
人口が減れば、
水使用量が減ります。
料金収入も減ります。
しかし、
ポンプ。
浄水場。
配水池。
管路。
の維持管理費は、
同じ割合では減りません。
つまり、
一人あたりのインフラ維持コストが上がる。
これは地方ほど深刻になります。
国土交通省も、水道事業について人口減少による料金収入減少と、小規模事業者の弱い経営基盤を大きな課題としています。国土交通省
14|市町村単位という考え方を変える
日本では多くの水道事業が、
市町村単位で運営されています。
しかし人口3万人。
2万人。
1万人。
と減っていく地域で、
それぞれが、
技術者。
料金システム。
維持管理。
資材調達。
災害対応。
を別々に持つことが合理的でしょうか。
15|Japan Compass政策提案
「Regional Water Utility」
水道を、
市町村単位ではなく、
生活圏・流域単位
で運営します。
必ずしも自治体を合併する必要はありません。
設備管理。
技術者。
資材。
料金システム。
災害対応。
発注。
を共同化します。
国もすでに「水道広域化推進プラン」に基づく広域連携を進めています。国土交通省
Japan Compassでは2035年までに、
これを全国標準へ近づけます。
16|ただし広域化にも弱点がある
大きくすれば効率化する。
とは限りません。
意思決定が遠くなる。
小さな地域の事情が見えなくなる。
災害時に一つの巨大施設が止まれば、
広域全体へ影響する。
という問題があります。
つまり、
広域化=正義
ではありません。
17|だから「集中+分散」
ここで重要になるのが、
2026年3月31日に国土交通省が公表した、
「水道事業における分散型システムの導入手引き」です。
国も、
人口減少と災害を踏まえ、
「集約型・分散型のベストミックス」
が必要だとしています。国土交通省
これは非常に重要な転換です。
18|例えば人口500人の集落
30km先の巨大浄水場から、
長い管で水を送る。
そのために、
管。
ポンプ。
電気。
を維持する。
これが最適とは限りません。
人口が少ない場所では、
地域近くの水源。
小型浄水設備。
地下水。
雨水。
貯水。
を組み合わせた方が、
合理的な場合があります。
19|Japan Compass政策提案
「Hybrid Water Japan」
都市部。
人口密集地域。
大規模工業地域。
では、
大型集中型水道。
一方、
離島。
山間地域。
人口減少地域。
では、
小規模分散型設備。
そして中間地域では、
両方を組み合わせます。
全国を同じ方式にしない。
これが2035年型水道の基本です。
20|これは八重山でも重要な話
離島は、
水インフラを考える上で非常に分かりやすい地域です。
水源が限られる。
雨の変動が大きい。
台風が来る。
観光客で人口が一時的に増える。
電力も必要。
物流にも制約がある。
さらに気候変動が加わります。
#041で扱った気候適応と、
今回の水インフラは、
ほぼ一体です。
21|2026年夏にも渇水対応
国土交通省は2026年8月6日に「渇水情報連絡室」を設置して情報収集体制を強化しました。
近畿地方整備局も8月7日に渇水対策本部を設置しています。国土交通省
また2026年8月21日には、
気候変動による水資源への影響を評価する新たなガイドラインも公表しました。国土交通省
水問題は、
「管が古い」
だけではありません。
水そのものをどう確保するか
という問題にもなっています。
22|Japan Compass政策提案
「Water Resilience Plan」
自治体ごとに、
平常時。
渇水時。
地震時。
豪雨時。
長期停電時。
で、
水が何日持つかを公開します。
評価するのは、
ダムだけではありません。
地下水。
雨水。
再生水。
海水淡水化。
近隣自治体。
給水車。
備蓄。
を含めます。
23|「水道水を全部同じ用途に使う」必要はあるか
私たちは、
飲む水。
風呂。
トイレ。
工場。
道路清掃。
庭。
冷却。
に、
基本的に同じ高品質な水道水を使っています。
安全で便利です。
しかし水不足の地域では、
すべてを飲料水品質にする必要があるのか、
考える余地があります。
24|海外事例
シンガポール
シンガポールは、水資源の制約が非常に大きい国です。
そこでPUBは、
雨水。
輸入水。
海水淡水化。
そして、
高度処理した再生水「NEWater」
を組み合わせています。
将来はNEWaterと海水淡水化が水需要の大部分を担う方向です。シンガポール政府出版局
NEWaterは、
半導体工場。
石油化学。
発電。
ビル冷却。
などにも使われています。シンガポール政府出版局
重要なのは、
「水を一度使ったら終わり」にしていないこと。
です。
25|Japan Compass政策提案
「Second Water Network」
日本全国に第二水道を作る、
という意味ではありません。
例えば、
データセンター。
半導体工場。
大型ホテル。
空港。
工業団地。
大規模公園。
など、
水使用量が多い施設で、
処理水。
雨水。
再生水。
を活用します。
飲料水は、
人が飲む用途を優先。
26|ホテルも水インフラになる
観光地では、
ホテルが大量の水を使用します。
一方、
災害時には、
貯水槽。
井戸。
非常電源。
浴槽。
厨房。
を持つ場合があります。
そこでホテルを、
単なる水消費者ではなく、
地域Water Partner
として位置付けます。
雨水利用。
再生水。
節水。
災害時給水。
に参加してもらう。
#041のClimate Partner Companyと接続できます。
27|漏水を「人が見つける」時代も変える
道路から水が出た。
住民が通報した。
掘った。
修理した。
これでは遅い。
これからは、
水圧。
流量。
音。
振動。
スマートメーター。
衛星。
AI。
を使います。
28|Japan Compass政策提案
「Water Digital Twin」
全国の主要上下水道を、
デジタル空間でも再現します。
どこに。
何年の。
何の材質の管があり。
何回故障し。
水圧はいくつで。
周囲の地盤はどうか。
を統合します。
そして、
AIが、
「次に壊れる可能性が高い区間」
を予測します。
29|「DX=職員削減」ではない
上下水道は、
技術者不足も大きな問題です。
国土交通省自身も人材確保・育成を主要課題として議論しており、神奈川県企業庁でも今後10~15年で技術系職員の大幅減少が見込まれています。国土交通省
だからDXの目的は、
人を減らすことではありません。
少ない人で、安全性を落とさず管理すること。
です。
30|Japan Compass政策提案
「Water Engineer Network」
市町村ごとに、
水道技術者を一人ずつ抱える方式から変えます。
都道府県。
広域水道。
民間企業。
大学。
専門機関。
で、
技術者を共有。
小規模自治体には、
オンライン+巡回型で専門家を派遣します。
さらに、
AI。
ロボット。
ドローン。
管内カメラ。
を支援ツールとして使います。
31|民間参加は必要か
ここで必ず、
PPP。
民間委託。
が議論になります。
国もウォーターPPPを進めています。国土交通省
民間企業には、
技術。
人材。
資金。
効率化。
イノベーション。
という強みがあります。
これは活用すべきです。
しかし、
「民営化すれば解決する」
という単純な議論には反対します。
32|水は普通の商品ではない
水道は、
払えなければ不要。
というサービスではありません。
人間が生きるために必要です。
だから、
所有。
料金。
水質。
災害対応。
投資。
について、
行政が最終責任を持つ必要があります。
33|Japan Compass政策原則
「Public Responsibility, Private Capability」
水の安全。
サービス水準。
料金原則。
災害対応。
については、
行政が責任を持つ。
その上で、
設備管理。
点検。
DX。
施工。
研究。
運営の一部。
へ民間能力を入れる。
つまり、
責任まで民間へ丸投げしない。
34|水道料金の議論から逃げてはいけない
ここは最も難しい問題です。
老朽管を更新する。
耐震化する。
DXする。
人材を確保する。
当然、
お金が必要です。
しかし人口が減れば、
料金収入は減ります。
つまり、
今の水道料金を永久に維持できるとは限りません。
35|「値上げ反対」だけでは水道は守れない
水道料金が上がるのは、
家計には大きな問題です。
しかし料金を政治的に低く固定し、
必要な更新を先送りする。
これは、
未来の住民へ負債を残すことになります。
道路が陥没してから、
数十億円を使う。
それでは遅い。
36|Japan Compass政策提案
「Water Affordability Guarantee」
料金改定は必要に応じて行う。
しかし、
生活困窮世帯まで一律に負担を増やさない。
そこで、
基本生活水量については、
低所得世帯への支援制度を作ります。
一方、
大量使用部分は、
使用量に応じて負担を増やす。
「水道を持続させる料金」と「水を使える権利」
を両立します。
37|海外事例
シンガポールの水価格
シンガポールでは、水の供給・生産コストを反映する考え方で料金を設定しています。
2024年と2025年には段階的な料金改定も行われました。
一方で政府は、
低・中所得世帯への支援策も組み合わせています。シンガポール政府出版局
日本がそのまま真似する必要はありません。
しかし、
「料金を上げないこと」と「生活者を守ること」は別問題
だという考え方は参考になります。
38|もう一つの副作用
地方から水道が消える危険
効率性だけを基準にすると、
人口の少ない地域は、
「維持費が高いから廃止」
という議論になりかねません。
しかし、
水道がなくなれば、
人は住めません。
つまり水インフラは、
地方創生の大前提です。
39|Japan Compass政策原則
「Minimum Water Access」
人口密度が低くても、
安全な水。
衛生。
最低限の災害対応。
は保障します。
ただし、
その方法が、
都市と同じ巨大管路である必要はありません。
地域によって、
簡易水道。
分散型浄水。
地下水。
共同井戸。
貯水。
などを組み合わせます。
「同じ設備」ではなく「同じ安心」を保障する。
これが重要です。
40|水質も忘れてはいけない
水インフラ政策では、
量と設備の話に偏りがちです。
しかし、
PFOS・PFOAなど新たな水質課題もあります。
国土交通省は2026年3月27日、水道事業者向けのPFOS・PFOA対応マニュアルを取りまとめています。国土交通省
つまり、
古い管を直すだけでは不十分です。
水源から蛇口まで
を一つのシステムとして管理する必要があります。
41|Japan Compass政策提案
「Source to Tap」
ダム。
河川。
地下水。
浄水場。
管路。
家庭。
まで、
水質データを連続管理します。
異常が発生した場合、
水源。
設備。
管路。
のどこに原因があるかを、
すぐ追跡できる仕組みにします。
42|災害時、最初に困るのはトイレ
地震では、
飲料水は、
ペットボトルや給水車で一定程度対応できます。
しかし、
トイレは簡単ではありません。
水道が止まり。
下水道が壊れれば、
避難所の衛生環境は急速に悪化します。
2024年度末でマンホールトイレを整備している自治体は710団体、総数は約4万9,000基です。国土交通省
43|Japan Compass政策提案
「7-Day Water & Sanitation」
主要避難所。
病院。
介護施設。
について、
最低7日間、
飲料水。
生活用水。
トイレ。
衛生。
を維持できるかを評価します。
水だけではありません。
Water + Sanitation
で考えます。
44|2035日本再設計ロードマップ
2026~2027年
Water Asset Map
全国の上下水道について、
年齢。
材質。
事故履歴。
地震。
地盤。
重要度。
をデータ化。
2027~2028年
Critical Water Corridor
病院。
避難所。
消防。
防災拠点。
への上下水道を優先耐震化。
2027~2029年
Water Digital Twin
主要都市・広域水道から、
センサー・AIによる予防保全を導入。
2028~2030年
Regional Water Utility
小規模自治体を中心に、
運営。
技術。
調達。
災害対応。
を広域共同化。
2028~2031年
Hybrid Water Japan
人口減少地域・離島で、
分散型水道を本格導入。
2029~2032年
Water Reuse Network
工業団地。
半導体。
データセンター。
大型ホテル。
公共施設。
で再生水利用を拡大。
2030~2033年
Water Affordability Guarantee
水道料金体系と、
低所得世帯支援を一体再設計。
2031~2034年
7-Day Water & Sanitation
病院・避難所・介護施設の、
7日間自立を全国評価。
2033~2035年
Resilient Water Japan
最終的に、
水源。
水道。
下水道。
再生水。
防災。
DX。
人材。
料金。
を、
一つの「水循環インフラ」
として運営します。
45|2035日本再設計白書での位置付け
今回の「水インフラ再設計」は、
単独の上下水道政策ではありません。
#014 共生City。
#034 住宅再設計。
#035 行政再設計。
#037 エネルギー再設計。
#039 食料安全保障。
#041 気候適応。
#043 地域医療。
ほぼすべての章とつながります。
食料を作るにも水。
病院を動かすにも水。
町を作るにも水。
ホテルにも水。
半導体にも水。
データセンターにも水。
そして、
人間が生きるにも水。
だから水インフラは、
2035日本再設計の「地下の基盤」
と言っていいと思います。
今日の提言
日本はこれまで、
人口が増えることを前提に、
水道を広げてきました。
新しい住宅地。
新しい道路。
新しい工場。
新しい町。
そこへ、
新しい管を敷いた。
しかし2035年に必要なのは、
逆の発想です。
何を残すのか。
どこを強くするのか。
どこを集約するのか。
どこを分散するのか。
何を更新し。
何をやめ。
誰が維持するのか。
そして、
その費用を誰が負担するのか。
そこまで決めなければなりません。
目指すべきなのは、
全国に同じ水道設備を残すことではありません。
都市でも。
地方でも。
離島でも。
人口が減っても。
地震が来ても。
渇水になっても。
安全な水が飲める。
トイレが使える。
その最低条件を守ることです。
蛇口をひねる。
水が出る。
私たちは毎日、
ほとんど意識することなくそれをしています。
しかし、
その「普通」は、
誰かが地下の何十万kmもの管を守り続けているから存在しています。
2035年。
そして2050年。
次の世代にも、
その普通を渡す。
それが、
2035 日本の「水インフラ」再設計
です。
読者への問い
今日、
あなたが家で水を使った回数を、
覚えているでしょうか。
顔を洗う。
コーヒーを淹れる。
トイレ。
シャワー。
料理。
洗濯。
何度も使っているのに、
水道の存在を考えることはほとんどありません。
では、
明日の朝。
蛇口をひねっても、
水が出なかったら。
トイレが流れなかったら。
それが、
一日ではなく、
一週間続いたら。
水道は、
目立たないインフラです。
しかし、
失った瞬間に、
社会を最も大きく変えてしまうインフラの一つでもあります。
「水が出るのは当たり前」。
その当たり前を、
2035年の日本も守れるでしょうか。
今から考える必要があります。
参考資料
PUB Singapore「Singapore’s Water Loop」
PUB Singapore「Singapore NEWater Journey」
※「Water Asset Map Japan」「Risk First Renewal」「Critical Water Corridor」「Regional Water Utility」「Hybrid Water Japan」「Water Resilience Plan」「Second Water Network」「Water Partner」「Water Digital Twin」「Water Engineer Network」「Public Responsibility, Private Capability」「Water Affordability Guarantee」「Minimum Water Access」「Source to Tap」「7-Day Water & Sanitation」「Resilient Water Japan」は、国内外の政策・技術・制度を参考にJapan Compassとして体系化した政策構想です。実装にあたっては、水道料金、公営企業会計、自治体間費用負担、財産権、水利権、水質管理、官民連携契約、サイバーセキュリティ、広域化時のガバナンス、離島・過疎地域へのユニバーサルサービスなどについて詳細な制度設計が必要です。

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