Podcast Episode: Japan Compass#024

Pip: Japan Compassへようこそ。今回は電気の話です。AIも、半導体も、脱炭素も、電気がなければ始まらない。

Mara: Hazzy Wildが2035年の日本を再設計するシリーズで、今回はエネルギー安全保障を正面から取り上げています。電源構成、送電網、省エネ、政策提案まで、幅広く掘り下げています。

Pip: では、そのエネルギー問題の核心から見ていきましょう。

日本のエネルギー安全保障――電気が足りない国の現実

Mara: このポストが問いかけるのは、2035年の日本がどこから電気を確保するか、という問題です。AI・半導体・脱炭素という国家目標がすべて、安定した電力供給を前提にしているという現実から出発しています。

Pip: そして出発点となる数字が厳しい。ポストはこう書いています。「必要な一次エネルギーの8割以上を海外に依存している」。

Mara: 2024年度速報値でエネルギー自給率は16.4%です。石油もLNGも石炭も、多くを船で運んでくる島国ですから、中東危機や台湾海峡の緊張が直接、電気料金と供給リスクに跳ね返ってきます。

Pip: 「原発か再エネか」という二択で語られがちな議論が、実は産業政策であり経済安全保障の問題でもある、というのがこのポストの軸ですね。

Mara: そうです。電気料金が上がれば製造コストが増し、半導体工場やデータセンターの投資先として選ばれにくくなる。電力供給が不安定ならAI産業そのものが成立しない、とはっきり書いています。

Pip: さらに人口減少国なのに電力需要が増えるかもしれない、という逆説もあります。

Mara: EVや製造業の電化、データセンターの拡大によって、化石燃料を直接使っていた分野が電力に置き換わるからです。第7次エネルギー基本計画もDXやGXによる電力需要増を前提に、脱炭素電源の確保を重要課題としています。

Pip: 再エネを増やせば解決、とも言い切れない。

Mara: ポストはその点を丁寧に整理しています。太陽光や風力は天候で変動するため、蓄電池、揚水発電、地域間送電、需要調整が必要になる。日本では再エネが増えた結果、電力が余る時間帯に発電を止める出力制御が全国へ広がっています。再エネ政策の主戦場は「送電網と蓄電」にあると指摘しています。

Pip: 北海道の風力を東京へ、九州の太陽光を関西へ、という地域間連系線の強化が国家インフラとして必要だということですね。

Mara: 原子力についても整理されています。2026年2月時点で15基が稼働中、政府は2040年度に約20%を見込んでいます。ポストは全面推進でも即時ゼロでもなく、安全確認された既存原発を地域理解と実効性ある避難計画を条件として活用し、その間に再エネ・送電・蓄電・省エネを拡大する、という立場をとっています。

Pip: 廃炉費用から高レベル放射性廃棄物の最終処分まで含めたコストを透明化する、というのは言うは易し、ですが。

Mara: そして省エネを「最大の発電所」と位置づけているのも特徴的です。住宅断熱から工場設備、データセンターの省電力化まで、需要そのものを減らす方が発電所を建てるより安い場合があると書いています。

Pip: このポストが提案する「2035 Energy Security Index」は、発電コストだけでなく、燃料輸入依存度、供給安定性、災害耐性、廃炉・廃棄物、サイバーセキュリティまで含めた総合評価です。「最も安い電源」ではなく「日本全体として最も強い組み合わせ」を選ぶ、という発想ですね。

Mara: ポストの結論はこうです。「再エネ大国でも、原発大国でもありません。世界情勢が変わっても、災害が起きても、産業が成長しても、必要なエネルギーを自分たちで確保できる強い日本です。」リスクを分散する国家戦略として位置づけています。

Pip: 電源の話は、次の産業立地や地方創生の議論にも直結しますね。


Mara: エネルギーは、人口・社会保障・産業・地域、すべての土台にある問題だということが改めてよくわかります。

Pip: 電線の話をしているようで、実は国の設計図の話なんですよね。次回も2035年の日本を一緒に考えていきましょう。

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