Japan Compass#037

2035 日本のエネルギー再設計

――「安い電気」だけではない。「止まらない・依存しすぎない・地域に残る」エネルギー国家へ

2026年9月8日|2035日本再設計プロジェクト|エネルギー・産業・安全保障・地方創生編

昨日の#036では「日本の安全保障再設計」を考えました。

そこで提示した中心思想は、

「攻撃や大災害を受けても、日本社会を止めない」

という国家レジリエンスでした。

そして、その議論を一段深く掘ると、必ず一つの問題へ行き着きます。

エネルギーです。

電気が止まれば、

病院が止まる。

通信が止まる。

水道が止まる。

物流が止まる。

工場が止まる。

データセンターが止まる。

行政も止まります。

つまりエネルギーは、環境政策でも産業政策でもありますが、同時に国家安全保障そのものです。

2035日本再設計白書の主要10領域の中でも、「エネルギー」はこれまで他テーマの中で部分的に触れてきたものの、独立した国家設計としては十分に扱っていませんでした。

そこで今日は、

原発か再エネか。

脱炭素か経済か。

という二者択一を一度外し、

2035年の日本に、どんなエネルギーシステムが必要なのか

から考えます。


Executive Summary

日本のエネルギーには、非常に大きな構造的弱点があります。

2023年度のエネルギー自給率は約15%にすぎません。エネ庁

発電についても2023年度はLNG32.9%、石炭28.3%など、依然として化石燃料への依存度が高い構造です。エネ庁

一方で今後は、

AI。

データセンター。

半導体工場。

EV。

電化。

GX。

によって、電力需要が増加する可能性があります。

政府も2025年2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画で、2040年度の発電電力量を1.1~1.2兆kWh程度と想定しています。

その電源構成の見通しは、

再生可能エネルギー 4~5割程度

原子力 2割程度

火力 3~4割程度

です。経済産業省

Japan Compassは、この方向性を基本的には現実的だと評価します。

ただし、一つ足りない視点があります。

「日本全体で何%発電するか」だけではなく、「地域が何日、自力で動けるか」という設計です。

そこで2035年へ向けて、次の7本柱を提案します。

① 電源を一つに賭けない「Energy Portfolio Japan」
② 原子力を安全性・経済性・廃棄物まで含めて現実的に利用
③ 再エネを発電量だけでなく蓄電・送電とセットで拡大
④ 地域マイクログリッドによる分散型電力網
⑤ 離島を「エネルギー実証地域」へ
⑥ 電気料金と産業競争力を国家KPIにする
⑦ 重要施設は停電しても72時間以上機能できる体制へ

目標は、

「再エネ100%」でも「原発100%」でもありません。

どこか一つが止まっても、日本全体が止まらない。

分散・多重化されたエネルギー国家

をつくることです。


1|日本最大の弱点

エネルギー自給率約15%

資源エネルギー庁によれば、日本の2023年度のエネルギー自給率は15%程度です。エネ庁

逆に言えば、

8割以上を海外に依存している

ということです。

石油。

LNG。

石炭。

その多くを輸入しています。

平時には効率的です。

しかし、

戦争。

海上封鎖。

国際紛争。

為替急変。

資源価格高騰。

輸送障害。

が起きれば、弱点になります。


2|昨日の「安全保障再設計」と直結する

#036では、

電力。

通信。

水。

食料。

医療。

物流。

行政・金融。

を、

Seven Lifelines

として守ることを提案しました。

しかし、このうちほぼすべてが電気に依存しています。

つまり、

電力はSeven Lifelinesを支えるライフライン

です。


3|2035年は電気をさらに使う社会になる

脱炭素社会では、

ガソリン。

ガス。

石油。

などを直接燃やす用途の一部が電気へ移ります。

さらに、

AI。

クラウド。

データセンター。

半導体工場。

が大量の電力を必要とします。

政府の第7次エネルギー基本計画も、DX・GXの進展による電力需要増加を前提としています。経済産業省

これは非常に重要です。


4|電力不足は「産業立地」を変える

2030年代には企業が工場やデータセンターを建設するとき、

土地が安いか。

人材がいるか。

だけではなく、

安定した脱炭素電力を確保できるか

を見るようになります。

政府もGX2040ビジョンで、エネルギー政策と産業立地を一体的に考える方向を示しています。エネ庁

つまりエネルギー政策は、

産業政策そのもの

になります。


5|Japan Compass政策提案

「Energy Portfolio Japan」

ここでJapan Compassは、エネルギー政策の議論を変えます。

原発か。

再エネか。

火力か。

という議論ではありません。

投資と同じです。

一つへ集中すると、

その技術や燃料に問題が起きた時、国家全体が影響を受けます。

だから、

電源もポートフォリオで考える。


6|2035年の電源を「役割」で分ける

再生可能エネルギー。

原子力。

LNG。

水力。

蓄電池。

水素。

需要調整。

これらを単純に発電コストだけで比較しません。

それぞれ、

安定供給。

燃料輸入依存。

CO2。

調整力。

災害耐性。

建設期間。

廃棄物。

地域負担。

という特徴があります。

重要なのは、

全部を同じ物差しで評価しないことです。


7|原子力をどう考えるか

ここは避けて通れません。

原子力には大きなメリットがあります。

運転時のCO2排出が少ない。

燃料備蓄が可能。

大量の安定電力を供給できる。

一方、

重大事故。

放射性廃棄物。

廃炉。

建設費。

長い建設期間。

避難計画。

という重大な問題もあります。


8|Japan Compassの立場

原発は「ゼロか100か」で考えない

Japan Compassでは、

2035年時点で原子力を完全に排除することは現実的ではない

と考えます。

政府の2040年度見通しでも原子力は約2割です。エネ庁

安全性が確認された既存炉については、

地域理解。

避難計画。

規制。

経済合理性。

を条件に利用する。

同時に、

次世代革新炉。

廃炉技術。

核燃料。

最終処分。

まで含めて評価します。


9|原発推進側の主張

原発を利用しなければ、

火力依存。

燃料輸入。

CO2排出。

電力価格。

が高くなる可能性があります。

特にAI・半導体産業を国内へ誘致するなら、

大量の安定電力が必要です。

これは無視できない議論です。


10|原発慎重派の主張

一方、

事故リスク。

廃棄物。

建設費高騰。

廃炉費用。

長期間の建設。

を考えれば、

再エネ・蓄電・送電網へ投資した方が合理的だ、

という議論があります。

これも無視できません。


11|Japan Compass政策提案

「Full Cost Energy」

そこで発電コストだけを比較するのをやめます。

原子力なら、

建設。

廃炉。

廃棄物。

事故リスク対策。

避難対策。

まで。

再エネなら、

送電。

蓄電。

出力変動。

系統増強。

バックアップ。

まで。

火力なら、

燃料価格。

為替。

CO2。

地政学リスク。

まで。

社会全体のコストで比較します。


12|再エネにも弱点がある

再生可能エネルギーは国内資源です。

これはエネルギー安全保障上、大きなメリットです。

しかし、

太陽が出ない。

風が吹かない。

場所によって発電量が違う。

という問題があります。

さらに発電設備があっても、

送電線がなければ電気を運べません。


13|Japan Compass政策提案

「Renewables + Storage + Grid」

再エネ政策を、

発電設備を何GW増やしたか

だけで評価するのをやめます。

再エネ。

蓄電池。

揚水。

送電網。

需要調整。

を一つのパッケージとして整備します。

太陽光だけ増やして、

昼間に電気が余る。

夜に足りない。

では意味がありません。


14|電力網を「高速道路」として考える

北海道で風力発電。

九州で太陽光発電。

東北で再エネ。

しかし需要の大きい東京や大阪へ運べなければ使えません。

道路に例えれば、

地方に工場を作ったのに高速道路がない状態です。

だから2035年へ向けて、

発電所以上に送電網が重要になります。


15|Japan Compass政策提案

「National Energy Highway」

北海道。

東北。

東京。

中部。

関西。

中国。

四国。

九州。

沖縄。

を、

より柔軟に電力融通できる送電ネットワークへ変えます。

地域間連系線。

海底ケーブル。

蓄電設備。

デジタル制御。

を国家インフラとして強化します。


16|しかし巨大送電網だけでも危険

全国を一つにつなげれば効率は上がります。

一方、

大規模災害。

サイバー攻撃。

設備故障。

で広範囲停電になる可能性があります。

そこで、

集中と分散を同時に進めます。


17|Japan Compass政策提案

「Community Microgrid」

地域の、

太陽光。

風力。

小水力。

バイオマス。

蓄電池。

EV。

非常用発電。

をつなぎます。

通常時は全国電力網につながる。

しかし災害時には切り離して、

地域だけで電気を維持する。

これがマイクログリッドです。


18|海外事例

アメリカのCommunity Microgrid

アメリカ合衆国のエネルギー省は、遠隔地・農村・電力的に孤立した地域を対象にCommunity Microgrid Assistance Partnershipを進めています。

マイクログリッドは通常の電力網につながりながら、障害時には独立運転できます。The Department of Energy’s Energy.gov

2025年には14プロジェクト、35の町・村などを対象に800万ドル超の支援も発表されました。The Department of Energy’s Energy.gov

日本でも特に、

離島。

山間部。

過疎地域。

災害多発地域。

との相性が非常に良い仕組みです。


19|八重山は日本の実験場になれる

石垣島。

西表島。

竹富島。

小浜島。

波照間島。

与那国島。

離島では、

台風。

物流。

燃料輸送。

送電。

人口規模。

という制約があります。

しかし逆に、

太陽。

風。

地域単位の電力網。

EV。

蓄電池。

という条件があります。


20|Japan Compass政策提案

「Yaeyama Energy Sandbox」

八重山を、

日本版・島嶼エネルギー実証地域

にします。

太陽光。

蓄電池。

EV。

V2H。

小規模風力。

既存火力。

需要制御。

マイクログリッド。

を組み合わせます。

目標は「再エネ100%」ではありません。

台風や海上物流停止が起きても、重要施設を止めない島

です。


21|病院・避難所・通信は72時間以上止めない

昨日提案した「72 Hours Japan」とエネルギー政策を接続します。

病院。

消防。

自治体。

避難所。

通信基地局。

給水設備。

物流拠点。

について、

外部電源が止まっても最低72時間、可能なら7日間

機能できる電力を確保します。


22|Japan Compass政策提案

「Critical Power 72」

重要施設には、

太陽光。

蓄電池。

非常用発電。

EV。

燃料備蓄。

などを組み合わせます。

非常用発電機を置くだけではありません。

本当に72時間動くのか。

燃料はあるのか。

定期的に実負荷で検証します。


23|EVを「車」だけで考えない

2035年にはEVが巨大な蓄電池群になる可能性があります。

家庭。

会社。

学校。

自治体。

にEVがある。

停電時には、

車から家へ。

車から避難所へ。

電気を供給する。

つまりEVは、

移動できる非常用電源

でもあります。


24|Japan Compass政策提案

「National V2X Network」

V2Hだけではなく、

Vehicle to Home。

Vehicle to Building。

Vehicle to Grid。

を全国標準化します。

災害時には、

自治体。

物流会社。

タクシー。

レンタカー。

企業。

のEVを地域電源として活用できる仕組みを作ります。


25|地域で作った電気の利益を地域へ

再エネにはもう一つ課題があります。

地方に巨大な発電設備が建つ。

しかし利益は地域外へ流れる。

景観や環境負担だけ地域へ残る。

これでは地域住民の理解は得られません。


26|海外事例

EUのEnergy Communities

欧州連合では、住民・自治体・企業などが共同で再エネを生産・共有・管理するEnergy Communityの制度整備が進んでいます。

EUでは500以上のEnergy Communityのビジネスモデルを支援し、1,000以上の自治体への支援も行われています。Energy

住民自身が、

発電。

消費。

蓄電。

電力共有。

へ参加できる考え方です。Citizen Energy Advisory Hub


27|Japan Compass政策提案

「Local Energy Dividend」

地域で大規模再エネ事業を行う場合、

固定資産税だけではなく、

利益の一部を、

地域基金。

電気料金割引。

子育て。

公共交通。

地域ポイント。

などへ還元できる仕組みを作ります。

「発電所がある地域が得をする」

構造にします。

これは#014共生Cityとも接続できます。


28|電気料金を忘れてはいけない

脱炭素。

安全保障。

再エネ。

原子力。

すべて重要です。

しかし家庭や企業から見れば、

結局、電気代はいくらなのか

も極めて重要です。

電力価格が高すぎれば、

工場は海外へ移る。

データセンターも来ない。

家庭負担も増えます。


29|Japan Compass政策提案

「Energy Affordability KPI」

エネルギー政策のKPIに、

CO2。

再エネ比率。

自給率。

だけでなく、

家庭電気料金

産業用電力価格

を入れます。

脱炭素できても、

産業が国外へ流出すれば日本経済は弱くなります。


30|海外事例

英国のContracts for Difference

イギリスでは、再エネなど低炭素電源への投資を促すためContracts for Difference、いわゆるCfD制度を利用しています。

発電事業者に長期的な収入の予見性を与えながら、卸電力価格が高い場合には消費者側の負担増を抑える仕組みです。GOV.UK

エネルギー投資では、

投資家に予見性を与えること

が極めて重要です。


31|Japan Compass政策提案

「15-Year Energy Investment Rule」

発電。

送電。

蓄電。

水素。

原子力。

などは巨額投資です。

政策が数年ごとに変われば企業は投資できません。

そこで超党派で、

15年程度の基本的なエネルギー投資ルール

を合意します。

政権が変わっても、

安全基準。

市場制度。

投資回収ルール。

が突然変わらない。

これが民間投資を呼び込みます。


32|水素は万能ではない

水素についても冷静に考える必要があります。

水素は、

製鉄。

化学。

船舶。

航空燃料。

高温熱。

など電化が難しい分野では重要になる可能性があります。

一方、

電気を水素へ変え、

再び電気へ戻すと、

変換ロスが発生します。

だから、

何でも水素にするべきではありません。


33|Japan Compass政策提案

「Electrify First」

原則として、

直接電化できるものは電化する。

EV。

ヒートポンプ。

電気設備。

などです。

そして、

電化が難しい産業へ、

水素。

合成燃料。

バイオ燃料。

などを重点投入します。


34|エネルギー貧困にも注意する

エネルギー転換には設備投資が必要です。

太陽光。

蓄電池。

断熱。

EV。

しかし購入できるのは、

資金のある家庭からです。

その結果、

裕福な家庭は電気代を下げられる。

低所得家庭だけ高い電気料金を払い続ける。

という逆転が起きる可能性があります。


35|Japan Compass政策提案

「Energy Basic Support」

低所得世帯。

高齢者世帯。

子育て世帯。

賃貸住宅。

について、

単なる電気料金補助だけではなく、

断熱。

高効率エアコン。

給湯器。

省エネ家電。

共同太陽光。

地域蓄電。

へのアクセスを支援します。

毎月補助金を払うより、エネルギーを使わなくても暮らせる住宅へ変える。

#034住宅再設計ともつながります。


36|最大の副作用

巨額投資を誰が払うのか

送電網。

原発。

再エネ。

蓄電池。

水素。

災害対策。

すべて進めれば巨額の費用がかかります。

最終的には、

税金。

電気料金。

企業投資。

のどこかから出ます。

だから、

「脱炭素だから必要」で無条件に認めてはいけません。

費用対効果を公開する必要があります。


37|Japan Compass政策提案

「Energy Cost Dashboard」

大型エネルギー事業について、

建設費。

発電量。

CO2削減。

輸入燃料削減。

系統費用。

補助金。

地域還元。

災害耐性。

を公開します。

国民が、

「何兆円使って何を得たのか」

確認できるようにします。


38|もう一つの副作用

地域環境

再エネだから環境に良い、

とは限りません。

森林を大規模に伐採する太陽光。

景観を壊す設備。

生態系への影響。

洋上風力と漁業。

などがあります。

脱炭素と自然保護が衝突することがあります。


39|Japan Compass政策提案

「Local Consent Rule」

一定規模以上のエネルギー開発では、

自治体。

地域住民。

漁業。

農業。

観光。

環境。

との協議を義務化します。

そして地域側にも利益が残る。

「東京で使う電気のために地方だけが負担する」

構造を減らします。


40|2035日本再設計ロードマップ

2026~2027年

Energy Risk Map

全国の、

発電。

燃料。

送電。

蓄電。

重要施設。

輸入依存。

について脆弱性を可視化します。


2027~2029年

Critical Power 72

病院。

通信。

自治体。

避難所。

給水。

物流。

について72時間以上の独立電源を整備します。


2028~2030年

National Energy Highway

地域間連系線。

海底送電。

蓄電。

デジタル制御。

を強化します。


2028~2031年

Community Microgrid 100

まず全国100地域で、

地域マイクログリッドを実証します。

離島。

豪雪地域。

山間部。

災害多発地域。

を優先します。


2029~2032年

Yaeyama Energy Sandbox

八重山など島嶼地域で、

再エネ。

蓄電池。

EV。

V2X。

既存火力。

マイクログリッド。

を組み合わせた実証を行います。


2030~2033年

Local Energy Dividend

地域エネルギー事業の利益を、

住民。

自治体。

地域サービス。

へ還元する制度を全国展開します。


2033~2035年

Distributed Energy Japan

大規模電源。

全国送電網。

地域発電。

蓄電。

EV。

マイクログリッド。

を統合します。

2035年の目標は、

「一か所が止まっても、日本全体は止まらない」

エネルギーシステムです。


41|2035日本再設計白書での位置付け

今回のエネルギー再設計は、白書10領域の、

エネルギー

を本格的に埋める章です。

しかし実際には、

防衛。

AI。

経済。

地方創生。

住宅。

医療。

交通。

外交。

とも接続します。

特に昨日の、

#036 安全保障再設計

とは表裏一体です。

そして、

#034 住宅再設計。

#035 行政再設計。

#036 安全保障再設計。

#037 エネルギー再設計。

まで来ると、一つの構造が見えてきます。

2035日本再設計とは、

制度を一つずつ改善することではありません。

住宅・行政・安全保障・エネルギーを相互接続して、日本社会そのものを強くすること

です。


今日の提言

日本のエネルギー論を、

「原発か再エネか」

だけで議論するのを終わらせるべきです。

本当に重要なのは、

電気が安定しているか。

海外へ依存しすぎていないか。

災害で止まらないか。

産業が使える価格か。

CO2を減らせるか。

地域が利益を得られるか。

です。

再エネには再エネの強みがある。

原子力には原子力の強みがある。

火力には調整力がある。

蓄電池には瞬発力がある。

送電網には地域をつなぐ力がある。

EVには移動する蓄電池という価値がある。

そして地域マイクログリッドには、

巨大システムが止まった時に地域を守る力

があります。

だから日本は、

一つの技術へ賭けない。

一つの国へ依存しない。

一つの巨大電力網だけにも依存しない。

多重化する。

2035年。

東京で停電が起きても地方は動く。

地方で発電した電気を都市へ送れる。

大規模送電網が止まれば地域マイクログリッドが動く。

病院は72時間以上動く。

EVが避難所へ電気を供給する。

離島でも最低限の生活を維持できる。

そして地域で生まれたエネルギーの利益が、

地域へ戻る。

それが、

2035 日本のエネルギー再設計

です。


読者への問い

あなたなら、

電気料金が少し安い代わりに、

海外からの燃料輸入が止まれば大きな影響を受ける電力システムと、

多少の投資負担はあっても、

地域で発電し、

蓄電し、

災害時には地域だけでも動ける電力システム。

どちらを選ぶでしょうか。

そして、

自分の住む地域に発電設備ができる場合。

景観や環境への負担だけを受けるのと、

その電力によって、

電気料金が安くなり、

地域基金ができ、

学校や公共交通が維持されるのでは、

受け止め方も変わるのではないでしょうか。

エネルギーは、

電力会社だけの問題ではありません。

日本で暮らし続けられるかどうかを決める社会インフラです。

昨日考えた、

「止まらない日本」。

その心臓部こそ、

エネルギーなのです。


参考資料

経済産業省「第7次エネルギー基本計画」

資源エネルギー庁「エネルギー基本計画最新版を読みとく・前編」

資源エネルギー庁「エネルギー基本計画最新版を読みとく・後編」

資源エネルギー庁「日本が抱えているエネルギー問題」

資源エネルギー庁「エネルギー動向2025」

米国エネルギー省「Community Microgrid Assistance Partnership」

米国エネルギー省「Community Microgrid Assistance Partnership — 14 projects」

European Commission「Energy Communities」

European Commission「Citizen Energy Advisory Hub」

英国政府「Contracts for Difference」

※「Energy Portfolio Japan」「Full Cost Energy」「National Energy Highway」「Yaeyama Energy Sandbox」「Critical Power 72」「National V2X Network」「Local Energy Dividend」「15-Year Energy Investment Rule」「Energy Basic Support」「Energy Cost Dashboard」「Local Consent Rule」は、国内外の既存政策・技術・制度を参考にJapan Compassとして体系化した政策構想です。実装には、電気事業法、原子力規制、送配電制度、土地利用、環境アセスメント、電力市場設計、財源、地域合意などについて詳細な制度検証が必要です。

フィードバック

  1. […] 記事はこちら […]

  2. […] Japan Compass#037 八重山 Compass […]

コメントを残す

Japan Compassをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む