Japan Compass #043

2035 日本の「地域医療」再設計

――「病院へ行ける国」から、「必要な医療につながり続ける国」へ

2026年9月14日|2035日本再設計プロジェクト|医療・介護・地方創生・DX・社会保障編

昨日の#042では「生活保障」を再設計しました。

直近では、#041「気候適応」、#040「外国人受入れ・共生」、#039「食料安全保障」、#038「移動」、#037「エネルギー」、#036「安全保障」、#035「行政」、#034「住宅」、#033「働き方」と、日本の社会基盤を一つずつ検証してきました。

さらに#031では教育、#032では介護を扱っています。

2035日本再設計白書の全体構成を改めて見直すと、ここで大きな空白が一つ残っています。

医療です。

医療はこれまで、介護、共生City、生活保障、地方創生などの中で何度も登場しました。

しかし、

「2035年の日本で、誰が、どこで、どんな医療を受けるのか」

という医療提供体制そのものは、まだ独立した国家設計として十分に整理していません。

そこで今日のテーマは、

2035 日本の「地域医療」再設計

です。


Executive Summary

日本の医療は世界でも高いアクセス性を持っています。

国民皆保険があり、基本的に自分で医療機関を選べる。

CTやMRIなど高度医療機器も多い。

平均寿命も世界最高水準です。

これは守るべき日本の強みです。

しかし、その仕組みを2035年もそのまま維持できるとは限りません。

2025年度の概算医療費は、

49.2兆円。

前年度比2.6%増えました。

一方、受診延日数は0.7%減っています。

患者が増えたから医療費が増えているだけではなく、1日当たり医療費が3.3%上昇しています。厚生労働省

さらに2040年へ向けて、日本では85歳以上人口が増加します。

厚生労働省の推計では、月間の救急搬送は約51万人から約56万人へ増え、特に85歳以上の搬送は約75%増えると見込まれています。在宅医療需要も多くの地域で増加します。厚生労働省

一方で、医療を支える現役世代は減ります。

つまり日本はこれから、

患者は高齢化する。
医療は高度化する。
医療費は増える。
働く医療従事者は確保しにくくなる。

という四つの問題を同時に解かなければなりません。

Japan Compassは2035年へ向け、医療を次の方向へ再設計します。

「病院中心」から「地域完結型」へ。
「治療中心」から「予防+治療+生活支援」へ。
「患者が病院を探す医療」から「地域全体で患者をつなぐ医療」へ。
「医療機関ごとのカルテ」から「本人を中心につながる医療情報」へ。

そして最大の目標を、

「必要な医療へ、必要な時に、住む場所に左右されず到達できる日本」

とします。


1|49.2兆円まで増えた医療費

厚生労働省が2026年8月28日に公表した2025年度の概算医療費は49.2兆円でした。

内訳は、

医科入院 19.6兆円
医科入院外 16.5兆円
歯科 3.5兆円
調剤 8.8兆円

です。厚生労働省

これは「医療費が高いから削ればいい」という話ではありません。

高齢化。

高度な薬。

医療技術。

人件費。

物価。

など様々な要因があります。

重要なのは、

49兆円を使って、どんな医療体制を維持するのか

です。


2|日本は「病床が多く、医師が多い国」ではない

ここに、日本医療の特徴があります。

OECDの2025年比較では、日本の病床数は人口1,000人あたり12.5床。

OECD平均4.2床の約3倍です。

一方、実際に診療に従事する医師は人口1,000人あたり2.6人で、OECD平均3.9人を下回ります。OECD

つまり単純化すれば、

「ベッドは多い。しかし、そのベッドを支える人材は潤沢ではない」

という構造です。

2024年末時点で届け出られている医師は34万7,772人、人口10万人あたり280.9人まで増えています。厚生労働省

医師の絶対数は増えています。

それでも地域や診療科によって不足感が残る。

これは、

「人数」だけではなく「配置」の問題

だからです。


3|東京と地方では医療問題が違う

都市部では今後、

85歳以上の高齢者が増え、

救急。

入院。

在宅。

認知症。

介護。

の需要が増えます。

一方、人口減少地域では、

患者そのものが減る地域もあります。

しかし同時に、

診療所。

病院。

医師。

看護師。

薬局。

も減る可能性があります。

つまり、

需要が減る地域でも、供給の方がさらに速く減れば医療不足になる。

人口だけを見て病院を減らせばいいわけではありません。


4|政府も「2040年型医療」へ動き始めている

厚生労働省は現在、「2040年に向けた地域医療構想」を進めています。

従来の地域医療構想は病床数が中心でした。

新しい構想では、

急性期。

高齢者救急・地域急性期。

在宅医療。

専門医療。

など、医療機関の役割そのものを地域で整理する方向へ進んでいます。厚生労働省

2026年には都道府県が現状と課題を把握し、遅くとも2028年度までに新しい地域医療構想を策定するスケジュールです。厚生労働省

方向性としては妥当です。

Japan Compassではここからさらに、

患者側から見た医療設計

へ進めます。


5|Japan Compass政策提案

「30-Minute Medical Access」

医療政策では、

病床数。

医師数。

医療機関数。

がよく使われます。

しかし住民からすれば最も重要なのは、

「具合が悪くなった時、必要な医療に何分で到達できるか」

です。

そこで全国を、

救急。

小児。

産科。

一般外来。

専門医療。

透析。

在宅。

精神医療。

などに分け、

実際の移動時間

で可視化します。


6|「病院がある」ではなく「医療につながる」

20km先に病院があっても、

公共交通がない。

夜間は診療していない。

専門医が週1回しかいない。

なら、

実質的には医療アクセスがありません。

だから、

道路。

公共交通。

救急車。

オンライン診療。

巡回診療。

ドクターヘリ。

船舶。

まで含めて評価します。

#038「移動再設計」と医療を接続します。


7|Japan Compass政策提案

「Local Medical Navigator」

風邪を引いた。

腰が痛い。

胸が苦しい。

子どもが発熱した。

高齢の親の様子がおかしい。

現在は、

「どこへ行けばいいのか」

を患者自身が判断することが多い。

これを変えます。

症状。

年齢。

持病。

時間。

現在地。

などから、

受診先。

オンライン診療。

救急相談。

救急搬送。

などを案内する全国共通の医療ナビゲーションを作ります。

ただしAIだけで診断する制度ではありません。

AIは入口。医療判断は医療者。

ここを明確にします。


8|「かかりつけ医」を強くする

日本には医療機関を比較的自由に選べるフリーアクセスがあります。

これは非常に大きな利点です。

しかし同時に、

軽症でも大病院へ行く。

複数の医療機関へ別々に通う。

薬が重複する。

病歴が分断される。

という問題も起こります。

厚生労働省も「かかりつけ医機能報告制度」を2025年から本格的に進めています。厚生労働省


9|Japan Compass政策提案

「My Primary Care Team」

ただし英国型のように、

「まず決められたGPへ行かなければ専門医へ行けない」

という完全なゲートキーパー制度にはしません。

日本のフリーアクセスは残します。

その代わり希望者は、

地域の医師。

薬剤師。

看護師。

必要に応じ歯科医。

を、

My Primary Care Team

として登録できます。

健診。

予防接種。

薬。

慢性疾患。

専門病院への紹介。

退院後。

まで継続して見てもらいます。

「かかりつけ医」から、

「かかりつけチーム」

へ広げます。


10|なぜ「医師一人」にしないのか

2035年に医師一人へ全てを任せるのは現実的ではありません。

血圧。

糖尿病。

服薬。

栄養。

リハビリ。

介護。

生活支援。

これらは、

医師だけでは対応できません。

医療を、

Doctor Centric

から、

Team Based Care

へ変えます。


11|85歳以上の救急を再設計する

今後の医療で非常に大きな問題になるのが、

高齢者救急

です。

厚生労働省は、2040年に向け85歳以上の救急搬送が大幅に増えると見込んでいます。厚生労働省

高齢者では、

肺炎。

転倒。

脱水。

発熱。

心不全。

などがきっかけで救急搬送されることがあります。

しかし問題は、

病院へ運ぶことだけではありません。


12|入院した後に生活機能が落ちる

高齢者は、

数週間ベッドにいるだけで、

歩く力。

食べる力。

認知機能。

が低下する場合があります。

治療そのものには成功した。

しかし、

家に戻れなくなった。

それでは医療として十分とは言えません。

政府の新しい地域医療構想でも、入院早期からのリハビリと、退院後の生活を見据えた医療・介護連携が重視されています。厚生労働省


13|Japan Compass政策提案

「72-Hour Senior Recovery Protocol」

75歳以上、特に85歳以上の救急入院では、

入院後72時間以内に、

治療。

歩行。

食事。

認知。

服薬。

家族・生活環境。

退院先。

を同時評価します。

医師だけではなく、

看護師。

リハビリ職。

薬剤師。

医療ソーシャルワーカー。

介護職。

が参加します。

治すだけではなく、

「元の生活へ戻す」

ことを治療目標に入れます。


14|病院を「全部できる場所」にしない

地方ではよく、

「この病院を残してほしい」

という議論があります。

当然です。

病院がなくなる不安は大きい。

しかし人口が減る中、

全ての病院に、

救急。

手術。

産科。

小児科。

心臓。

脳。

がん。

を揃えることも現実的ではありません。

医療の質を守るためには、

ある程度の症例数と専門人材の集中も必要です。


15|Japan Compass政策提案

「Hospital Role Contract」

地域内の病院について、

何を残すか。

何を集約するか。

何を24時間行うか。

何を他院へつなぐか。

を住民にも分かる形で明示します。

例えば、

A病院=高度救急・手術。

B病院=高齢者救急・回復。

C病院=在宅支援。

D診療所群=日常診療。

と役割を共有します。

病院同士が患者を奪い合うのではなく、

一つの地域医療ネットワーク

として動く仕組みにします。


16|反対意見

「病院の集約は地方切り捨てではないか」

これは最も重要な反論です。

実際、集約の仕方を誤れば、

医療空白地域ができます。

救急搬送時間が延びる。

出産できなくなる。

高齢者が通院できなくなる。

という問題も起こり得ます。

だからJapan Compass案では、

「病院を減らす」こと自体を目標にしません。

評価するのは、

医療アクセスと治療成績

です。


17|Japan Compass政策原則

「Concentrate Specialty, Distribute Access」

高度医療は集約する。

しかし、

日常医療は分散する。

つまり、

**専門医療は集める。

医療への入口は近くする。**

これを基本原則にします。


18|オンライン診療は病院の代わりではない

医療DXが進むと、

「オンライン診療ですべて解決する」

という議論が出ます。

それも違います。

触診。

聴診。

採血。

画像。

処置。

手術。

が必要な医療はオンラインではできません。

しかし、

慢性疾患管理。

服薬相談。

検査結果説明。

術後フォロー。

専門医相談。

などでは有効です。


19|Japan Compass政策提案

「Hybrid Medical Access」

基本を、

対面 OR オンライン

ではなく、

対面+オンライン

にします。

例えば離島の診療所で、

地域医師が患者を診る。

↓

大学病院専門医がオンライン参加。

↓

検査は地域。

↓

必要なら本土の病院へ移送。

という仕組みです。

これは離島だけではありません。

人口減少地域全体で使えます。


20|在宅医療は「特別な医療」ではなくなる

2040年へ向けて、

訪問診療需要は多くの地域で増えると推計されています。厚生労働省

一方で、

診療所医師の高齢化。

看護師不足。

夜間対応。

移動時間。

という問題があります。

一人の医師が24時間365日対応するモデルには限界があります。


21|Japan Compass政策提案

「Home Care Hub」

在宅医療を、

一つの診療所ではなく、

地域チームで支えます。

医師。

訪問看護。

薬剤師。

介護。

リハビリ。

救急。

病院。

が共同で当番制を組む。

患者情報も共有する。

これによって、

医療者側の負担も減らします。

#032「介護再設計」と直結する部分です。


22|医師偏在をどうするのか

日本の医師数自体は増えています。

2024年末時点で34万7,772人です。厚生労働省

それでも地方や特定診療科では、

医師確保が課題です。

政府も2024年12月に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しています。厚生労働省

しかし、

「地方へ行け」

と医師へ命令するだけでは持続しません。


23|Japan Compass政策提案

「Regional Medical Career」

地方勤務を、

キャリア上の不利益

ではなく、

キャリア上の価値

にします。

大学病院。

地域病院。

診療所。

オンライン専門診療。

研究。

を組み合わせ、

数年間地方で働いた医師が、

専門医取得。

研究。

昇進。

奨学金。

住宅。

などでメリットを受けられる仕組みにします。

強制配置ではなく、

選びたくなる制度

にします。


24|看護師も同じ問題を抱える

医療は医師だけでは成り立ちません。

看護師。

薬剤師。

臨床検査技師。

放射線技師。

リハビリ。

救急救命士。

医療事務。

など、多くの人が必要です。

しかも看護職を養成する若年人口そのものが減ります。

厚生労働省の検討では、18歳人口は2025年約110万人から2040年には約74万人まで減少する見通しです。厚生労働省

つまり、

「人を増やせば解決する医療政策」には限界があります。


25|Japan Compass政策提案

「Medical Task Redesign」

医師がやらなくてもいい仕事。

看護師がやらなくてもいい仕事。

人間がやらなくてもいい仕事。

を徹底的に整理します。

予約。

書類。

レセプト。

カルテ入力補助。

紹介状。

病床調整。

データ転記。

をAI・DXで減らし、

人間は、

診察。

看護。

説明。

判断。

患者との対話。

へ集中します。


26|医療DXはすでに始まっている

日本では現在、

電子処方箋。

マイナ保険証。

電子カルテ情報共有サービス。

Public Medical Hub。

などの整備が進んでいます。

電子カルテ情報共有サービスは2025年2月からモデル事業が順次始まり、2026年9月にも技術仕様の更新が続いています。厚生労働省

デジタル庁のPublic Medical Hubも、医療費助成、予防接種、母子保健などの情報連携を進めています。2026年9月7日にも最新情報が更新されました。デジタル庁


27|Japan Compass政策提案

「Health Data Passport」

目指すべきは、

病院Aのカルテ。

病院Bのカルテ。

薬局Cの薬歴。

ではありません。

「本人を中心に情報がつながる医療」

です。

本人の同意を前提に、

病歴。

薬。

アレルギー。

検査。

画像。

予防接種。

健診。

手術。

を必要な医療機関が確認できる。

旅行先でも。

救急でも。

引っ越しても。

医療情報がつながる仕組みにします。


28|ただし「全部見える」は危険

医療情報は極めてセンシティブです。

精神科。

感染症。

遺伝。

妊娠。

など、

本人が特に管理したい情報もあります。

だから、

誰が。

何を。

いつ見たか。

本人が確認できる仕組みにします。

そして、

情報共有範囲を、

通常診療。

救急。

研究。

で分けます。

便利さだけで医療DXを進めません。


29|海外事例

フィンランドの「Wellbeing Services Counties」

参考になるのがフィンランドです。

フィンランドは2023年、それまで300以上の自治体などが担っていた医療・福祉サービスを、21のWellbeing Services Countiesとヘルシンキへ再編しました。

一次医療。

専門医療。

福祉。

救急。

を広域単位で統合する改革です。OECD

日本で言えば、

市町村ごとではなく、

より広い生活圏で、

医療と福祉を一体設計するイメージです。


30|しかしフィンランドも成功一色ではない

ここが重要です。

改革すれば全て解決したわけではありません。

OECDによると、フィンランドのWellbeing Services Countiesでは人材不足、賃金上昇、財政負担が課題となり、多くの地域が赤字を経験しました。OECD

つまり、

統合すれば安くなる

と考えるのも危険です。

再編には、

移行コスト。

IT。

職員。

ガバナンス。

が必要です。


31|Japan Compassが海外事例から学ぶこと

日本が学ぶべきなのは、

「フィンランドと同じ制度」

ではありません。

学ぶべきなのは、

医療を自治体境界だけで考えない

という発想です。

人口3万人の自治体ごとに、

救急。

専門医。

在宅。

をすべて揃える必要はありません。

複数自治体で一つの医療圏を作る。

その代わり、

地域住民が医療へアクセスできる交通とデジタルを保証する。

これが現実的です。


32|予防医療をもっと重くする

OECDによると、日本の医療支出はGDP比10.6%。

OECD平均9.3%を上回ります。

一方、予防への支出割合は2.4%で、OECD平均3.4%を下回ります。OECD

もちろん、

予防へお金を使えば必ず医療費が下がる

という単純な話ではありません。

しかし、

高血圧。

糖尿病。

肥満。

運動不足。

歯周病。

喫煙。

などは、

早い段階で介入する価値があります。


33|Japan Compass政策提案

「Health Before Hospital」

病気になってから病院へ行く。

だけではなく、

健診。

運動。

食事。

睡眠。

口腔。

メンタル。

ワクチン。

を地域医療の正式な役割として位置付けます。

#014共生Cityの、

公園。

スーパー。

学校。

企業。

スポーツ。

とも接続します。


34|企業も医療政策の一部になる

日本人の多くは、

人生の長い時間を職場で過ごします。

だから企業の、

健康診断。

メンタルケア。

運動。

食事。

休暇。

働き方。

も、

将来の医療需要に影響します。

「病気になった後は国民皆保険」

だけではなく、

病気になりにくい環境

を企業にも作ってもらいます。


35|反対意見

「健康まで国家が管理するのか?」

ここにも注意が必要です。

健康政策が行き過ぎれば、

体重。

食事。

運動。

飲酒。

まで、

行政が個人を管理する社会になりかねません。

Japan Compassでは、

情報。

環境。

インセンティブ。

は提供します。

しかし、

健康行動を強制しません。

健康は重要ですが、

個人の自由も同じく重要です。


36|医療費削減を目的にしてはいけない

2035医療再設計の目的を、

「医療費を減らす」

にしてはいけません。

高齢者が増え、

医療技術が進歩するなら、

医療費が増えること自体は自然です。

見るべきなのは、

Value for Money

です。

1兆円使って、

何人救えたのか。

何年健康に暮らせたのか。

何人が自宅へ戻れたのか。

どれだけ待ち時間が減ったのか。

そこを評価します。


37|Japan Compass政策提案

「Health Outcome Dashboard」

地域ごとに、

救急搬送時間。

救急受入不能。

手術待機。

再入院率。

在宅復帰率。

健康寿命。

予防可能な入院。

医療アクセス。

医療従事者負担。

を公開します。

病床数だけではありません。

「住民が実際にどうなったのか」

を医療政策の成績表にします。


38|地方の病院を経済インフラとして考える

地方では病院が、

医療だけでなく、

大きな雇用主になっている場合があります。

病院を統合すれば、

地域経済。

人口。

住宅。

学校。

にも影響します。

だから地域医療再編は、

厚生労働政策だけではありません。

地方創生政策でもあります。


39|Japan Compass政策提案

「Medical Regional Compact」

病院再編を行う時には、

医療だけで判断しません。

交通。

住宅。

雇用。

介護。

大学。

看護学校。

商業。

自治体財政。

を一緒に評価します。

医療拠点を中心に、

地域そのものを再編する。

#014共生Cityともつながります。


40|2035日本再設計ロードマップ

2026~2027年

Medical Access Map

全国の医療アクセスを、

距離ではなく移動時間で可視化。

救急、小児、産科、専門、在宅など分野別に医療空白地域を特定します。

2027~2028年

Primary Care Network

かかりつけ医機能報告制度を活用し、

My Primary Care Teamのモデル事業を開始。

2027~2029年

85+ Emergency Reform

高齢者救急と早期リハビリ、退院支援を一体化した72-Hour Senior Recovery Protocolを実証。

2028~2030年

Regional Hospital Role Map

各医療圏で病院の役割を明確化。

急性期、回復、在宅、専門医療をネットワーク化します。

2028~2031年

Health Data Passport

電子カルテ、薬、健診、救急情報を本人中心で接続。

全国医療情報基盤を整備します。

2029~2032年

Home Care Hub

病院、診療所、訪問看護、薬局、介護を地域チーム化。

24時間対応を「一人の医師」から「地域ネットワーク」へ移します。

2030~2033年

Regional Medical Career

医師・看護師などの地方勤務をキャリアとして評価する全国制度を導入。

2033~2035年

Connected Healthcare Japan

最終的には、

病院。

診療所。

在宅。

救急。

介護。

予防。

データ。

移動。

を、

一つの地域医療システムとして運営します。


41|2035日本再設計白書での位置付け

今回の「地域医療再設計」は、

医療

の中核章になります。

同時に、

#014 共生City
#032 介護再設計
#034 住宅再設計
#035 行政再設計
#038 移動再設計
#041 気候適応
#042 生活保障

と接続します。

これまで白書で扱ってきたテーマを、

医療が一つにつないでいきます。

例えば、

高齢者が自宅で暮らす。

これは医療だけではできません。

住宅。

介護。

交通。

家族。

買い物。

地域。

が必要です。

つまり2035年の医療政策とは、

病院政策ではなく「暮らしの政策」

なのです。


今日の提言

日本の医療を、

「病院を増やすか減らすか」

「医師を増やすか減らすか」

「医療費を増やすか減らすか」

だけで議論する時代を終わらせるべきです。

重要なのは、

必要な時に、必要な医療へつながれるか。

です。

風邪なら近所。

慢性疾患ならかかりつけチーム。

専門治療なら高度病院。

退院したら地域。

通院できなければ在宅。

離島ならオンラインと地域医療。

救急なら迷わず搬送。

そして、

どこへ行っても、

患者の情報が本人と一緒に動く。

病院を守るのではなく、

医療を守る。

建物を守るのではなく、

医療へのアクセスを守る。

2035年の日本が目指すべきなのは、

大病院がたくさんある国ではありません。

小さな町でも。

都会でも。

離島でも。

一人暮らしでも。

85歳でも。

子どもでも。

必要になった瞬間、

適切な医療へつながる国。

それが、

2035 日本の「地域医療」再設計

です。


読者への問い

あなたが住む町から、

救急病院までは何分でしょうか。

夜中に子どもが高熱を出したら。

高齢の親が転倒したら。

突然胸が苦しくなったら。

どこへ電話しますか。

どの病院へ行きますか。

そして、

その病院は10年後もそこにあるでしょうか。

医療は、

病気になった時だけ考えるものではありません。

「自分が暮らす場所で、最後まで安心して生きられるか」

という地域設計そのものです。

2035年へ向けて必要なのは、

病院の数を守ることではなく、

「医療につながれる暮らし」を守ること。

Japan Compassは、それを日本の新しい医療政策の基準にすべきだと考えます。


参考資料

厚生労働省「令和7年度 医療費の動向」

厚生労働省「2040年に向けた地域医療構想」

厚生労働省「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」

厚生労働省「かかりつけ医機能報告制度」

厚生労働省「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計」

厚生労働省「電子カルテ情報共有サービス」

デジタル庁「Public Medical Hub」

OECD Health at a Glance 2025 — Japan

OECD Finland Country Health Profile

※「30-Minute Medical Access」「Local Medical Navigator」「My Primary Care Team」「72-Hour Senior Recovery Protocol」「Hospital Role Contract」「Concentrate Specialty, Distribute Access」「Hybrid Medical Access」「Home Care Hub」「Regional Medical Career」「Medical Task Redesign」「Health Data Passport」「Health Before Hospital」「Health Outcome Dashboard」「Medical Regional Compact」「Connected Healthcare Japan」は、国内外の制度・統計・研究を参考にJapan Compassとして体系化した政策構想です。実装にあたっては、医師の職業選択の自由、患者のフリーアクセス、医療安全、個人情報保護、サイバーセキュリティ、診療報酬、地域病院経営、医療従事者の労働環境、自治体財政、救急搬送体制などについて詳細な制度設計が必要です。

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