Podcast Episode: Japan Compass#043

Pip: Japan Compassへようこそ。今日は、Hazzy Wildが日本の医療提供体制そのものを丸ごと問い直しています。

Mara: 2035年に向けた地域医療の再設計です。医療費の構造、病院と医師の配置、高齢者救急、在宅医療、DX、そして予防まで、幅広く取り上げています。地域医療から始めましょう。

2035年、日本の地域医療を再設計する

Pip: 今回の問いはシンプルです。日本は「病院へ行ける国」から「必要な医療につながり続ける国」へ変われるか。その答えを、具体的な政策提案の形で示しています。

Mara: まず現状から押さえます。記事はこう書いています。「2025年度の概算医療費は49.2兆円。前年度比2.6%増えた。一方、受診延日数は0.7%減っている。」

Pip: 患者が増えたわけではなく、一日あたりの医療費が上がっている。49兆円という数字は削減の標的ではなく、何を維持するかを問う数字だということです。

Mara: そしてこの問いは今後さらに重くなります。厚生労働省の推計では、2040年に向けて85歳以上の月間救急搬送が約75パーセント増える見込みです。医療費は増え、高齢化は進み、一方で現役世代は減る。

Pip: 病床数はOECD平均の約3倍なのに、実際に診る医師はOECD平均を下回る。ベッドは多いが、そこを支える人材は潤沢ではない、という構造です。

Mara: 地域によって問題の形も違います。都市部では85歳以上の急増による救急・在宅需要が課題で、人口減少地域では患者より先に医師や診療所が減るリスクがある。

Pip: そこでJapan Compassが立てた原則が「Concentrate Specialty, Distribute Access」、つまり高度医療は集約し、医療への入口は近くする、です。病院を守るのではなく、アクセスを守る発想の転換です。

Mara: 具体的な提案は多岐にわたります。移動時間で医療空白を可視化する「30-Minute Medical Access」、受診先を案内する「Local Medical Navigator」、医師・薬剤師・看護師をチームで登録する「My Primary Care Team」。かかりつけ医を「かかりつけチーム」へ広げる構想です。

Pip: 高齢者救急については「72-Hour Senior Recovery Protocol」が提案されています。入院後72時間以内に治療だけでなく歩行・食事・退院先まで同時評価する。治すだけでなく、元の生活へ戻すことを治療目標に入れる。

Mara: 在宅医療については「Home Care Hub」として、一つの診療所ではなく地域チームで支える仕組みを提案しています。医療DXでは「Health Data Passport」、本人を中心に病歴・薬・検査・画像が必要な医療機関で確認できる基盤を目指します。ただし情報共有の範囲は通常診療・救急・研究で分け、個人が管理できる設計にする、と明記されています。

Pip: 海外事例としてフィンランドのWellbeing Services Countiesが取り上げられていますが、「統合すれば安くなる」という楽観は戒めています。人材不足・財政負担という現実も正直に示している。

Mara: 記事が最後に置く問いが印象的です。「あなたが住む町から、救急病院までは何分でしょうか。その病院は10年後もそこにあるでしょうか。」医療政策を、病院の数の話ではなく暮らしの設計として問い直しています。

Pip: 次は、この医療再設計が接続する「暮らし全体の設計」という視点へ。


Mara: 医療・介護・移動・住宅・予防がつながる地域設計。どれか一つを動かすと他が動く、という構造が見えてきます。

Pip: 次回も、その連鎖のどこかを掘り下げます。

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